第九話 バトル!スカイvsちびっ子3人!?
あれ…?私、コイツに言ってなかったっけ……?
私たちが学校をやってたの、2年前までだよ……?
私はそのことをコイツにすぐ言った。そしたらコイツは思い出したらしい。全く…だから私はコイツが嫌いなんだ。
とりあえず私とフーラの出会ったシーンを回想でお送りしよう。
〜2年前〜
私とフーラは初めて一緒に遊園地に行ったんだけど(私とフーラの出逢いは道でぶつかってから知り合ったベタな会い方)、この日を境にフーラのことを”アイツ”って呼ぶようになったの。因みにフーラは私と同じ18歳。
「ねえ、スカイ。次は何に乗る?私はジェットコースターがいいな」
私は遊園地が大好きだったなぁ…今も勿論好きだけど。いくつになっても好きだわ。うん。
「私は別に何でもいいけど?」
勿論どの乗り物も好き。フーラも好きらしいけど私ほどじゃあないかな。
「じゃあジェットコースターに決まりね!」
私たちはこんな会話をしながら、ジェットコースターに向かった。
………そこまでは良かったの。
ジェットコースターにいざ乗ったらフーラの奴、他の客がいる中叫び声じゃなくて”火炎放射”をぶっ放したのよ!?普通言いだしっぺがそんなザマになるなんて誰が予想できるって言うの!?
私は勿論止めようとしたわ。でもその炎がね………
私の顔面に直撃よ!?もう熱いったらありゃしない!!もう早くジェットコースターからとにかく降りたかったわ……勿論周りの視線が痛かった…誰かさんのせいで。
私はその時ジェットコースターだけでしょう…と思っていた。でもこの考えがすごく浅はかだったのよね…
ジェットコースターの後に行ったメリーゴーランドでは目が回って私に間違って”噛み付く”をしてきたり、コーヒーカップでは途中で何ぁ故ぇかぁ!”火炎車”をしだすし、その後も私に災難が続いたわ…(すべてフーラの技で)
だから私はフーラのことを”アイツ”とか”コイツ”とか”かませ犬”とか”伝説もどき”って呼んでるの。(本当にウインディファンの皆様、すみません!!)
…尤もコイツは立ち直りが早いからそんなこと気にも留めてないらしいけど。
回想シーンはこれで終わり。さてと…学校はもうやってないってコイツには言ったし私たちはそろそろ出発しないと…って私が思った時…
「…どうしてもダメって言うんですか?私たち、フーラさんの紹介でここまではるばるやってきたのに…」
口を開いたのは確か…ツタージャのナノハちゃんだっけか…だった。なんで言い直したんだろ、今。
えぇぇ……どうしてもダメって言われてもなぁ…もう学校やってないし。…私たちは能力のナゾを解明しなくちゃいけないのに…
「私からもお願いします!!」
次に発言したのは確かミジュマルのララちゃんだった。
……私は考えた。そうだ、こうしよう!
「…そんなにこの学校で学びたいのね…なら私にあなた達
3人がかりでかかって来なさい!!そして私に勝てたらこの学校で教えてあげる」
『!!!!』
フーラたち4人は一瞬ビクっと体を震わせた。流石にちっちゃい子相手だといっても舐めプだったかな…?でもそんなことなかったようで。
そして3人は覚悟が決まったとばかりに私に向き直ってこう言った。
『分かりました。そうと決まれば早速バトルです(だ)!!』
ここにきて確かポカブのグレン君も喋った。……口だけな人達だったら承知しないからね!!
私はナージに審判を任せた。途中ホノオに”何故オレじゃないんだ”といわれたけど華麗にスルーしたわ。
あとアイツがオロオロしてたけどこっちもスルーした。つかそうしないと色々と面倒なだけだけど。
「それじゃあ、バトルスタート!!」
「”アイアンテール”!!」
私はまず小手調べにララちゃんに”アイアンテール”を放った。ララちゃんはそれを……
「”シェルブレード”!!」
シェルブレードで相殺してきた。でも、そんな生半可な力じゃ私に勝つには無理よ…?
「”グラスミキサー”!!」
!おっと、1vs3だったっけ……私は間一髪で”グラスミキサー”をかわした。
「行くわよ…それっ、”10万ボルト”!!」
私は攻撃範囲の広い”10万ボルト”を四方八方に向かって放った。
「わわっ!!?」
「任せろ!”ヒートスタンプ”!!」
私の”10万ボルト”が致命傷になってしまう水タイプのララちゃんは”10万ボルト”を見て驚いて戸惑っていた。でもその”10万ボルト”をグレン君が”ヒートスタンプ”の振動を利用して相殺した。…やるわね。私はあの子達のことを少々侮っていたみたい。
……なら、私もそろそろ本気を出させてもらうわね!!
「”電磁波”!!」
「…!くっ……痺れ…る」
私は3人の中で1番素早そうなナノハちゃんに”電磁波”を見事当てた。
「ナノハ!!”火炎放射”!!」
「私も!!”ハイドロポンプ”!!」
「”高速移動”から”10万ボルト”!!」
ララちゃんって”ハイドロポンプ”まで使えるんだ……!実力はあるみたいね。
私は2人の攻撃を”高速移動”で素早さを高め、”ハイドロポンプ”を”10万ボルト”で相殺した。ララちゃんはまずい!!と思い”ハイドロポンプ”を止めた。まあ、出しっぱなしだと感電しちゃうもんね。
「…長期戦はまずいね…どうする、2人とも…切り札使う?」
「そうね(だな)」
……?私の地獄耳でさえも聞こえないほど小さな声で何を話してるのかしら?とりあえず警戒しとかないと…
「いくよ、2人とも………せーのっ!!」
…………何か…来るっ!!
「”草(炎)(水)の誓い”!!」
…!!何、あの力は…………?でも分かる。受けたらかなりのダメージを負うって。
「…こうなったら私も切り札を出すしかないのね。………
”ボルテッカー”!!!!!」
私は技名を叫んで3人に突っ込んで言った。3人の一体した合わせ技を切り裂いても尚、私のスピードは留まることを知らなかった。そして3人の切り札の合わせ技を抜け、そのまま3人へと………
……直撃するッ!!!!!
「あーーーー、負けちゃったよ〜!!」
私は見事3人を負かし、今この状況に至るわけだ。
「さあ、フーラ。私は3人に勝った。帰ってもらうわよ。…気の毒だけど。私たちにはやらなくちゃいけないことがあるの」
私はそう言いフーラに背を向けた。でも次のフーラの発言で私は耳を疑ったの。
「……スカイ、私にここの学校、貸してもらえない…かな………?」
……はあ!?今コイツなんつった!?この学校を貸せだぁ!?どうして!?とりあえず私はその理由を聞いた。
「理由は…この子達を私の手で学ばせたいから!」
嗚呼、そういうことね。………ってえええええええええええええ!!!??
なんでそうなんの!?おかしくない!?って言いたかったけど、私はコイツ(フーラ)の目を見てはっとした。
フーラの目が本気なのだ。
…私はホノオにアイコンタクトを送ったケド、ホノオは何も反応しない。…もう、分かったわよ。私は渋々フーラの方を見てこう言った。
「しょうがないわね…だったらこの学校ごと再開させてくれる?」
そう言った。私は少し悪戯風に”この学校ごと再開させてくれる?”って言ってみた。あの三人だけじゃ可哀そうだものね。フーラは「いいの!?」って言ってこっちを見てにっこりとほほ笑んだ。
「今回だけよ、”フーラ”」
「……!!うん、有り難う、スカイ!!」
私はそっぽを向いた。そして不意にフーラが話してきたんだけど…
「あ、そうだ。私ここに来る途中あるウワサを聞いたんだ」
「え?どんなウワサ?」
私は好奇心半ばで聞いた。するとその内容は意外なものだった。
「貴女とホノオの育ったギルドが……」
「ギルドが…?」
「嫁ポケギルドになってたの!!」
それを聞いたとたん、私は固まって叫んだ。
「私たちが《行きたいところ》が嫁ポケギルドにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!??」