02
次の日、俺たちは昨日と同じ部屋に集合した。
「それでは2つ目の用件について‥」
「あ、社長。その件については私が説明します。」
「ああ、構わんよ。」
社長が説明しようとしてたところに監督が前に出た。
「昨日紹介したように、ドラフト会議で4人の選手を獲得した。これにより、全ポジションに1人以上の選手が登録され、公式戦に出場できる資格を手に入れた。しかし‥」
監督は話をそこで区切った。
「しかし何ですか?」
監督はワンテンポ間を置いて、話を続けた。
「ピッチャーが居ないんだ。それは皆もよくわかっていることだと思う。確かにドラフト会議でエドを獲得した。でも、エドには悪いけど、高校から上がってきたばかりのピッチャーが8 連投できると思うか?仮にできるとしても、リリーフ陣が居ないと、もし打たれまくったら?交代するピッチャーがいなければやっぱり勝てないだろう。」
確かに。前々からピッチャーが居ないのは百も承知。だったら‥!
「バーン。さあどうする?」
ゼルが俺に聞く。
「どうすんだ?キャプテン」
「一発ビシッと決めてくれ!」
皆も‥。キャプテンとして信頼されてるのが嬉しかった。よし、そしたら!
「今回の旅の目的は《シンオウ最強ナイン》を作ること」
『嘘つけ!』
ちょっとしたこボケに突っ込む皆。なんか清々しさを感じる。
「でもそうだろ?シンオウリーグで優勝目指すんだから。そしたらピッチャーをどう見つけるかなんてどうしたらいいかわかるよな?」
皆がコクンと頷く。
「監督、やっぱり旅にでます。」
「わかった。そういうだろうと思ったよ。でも、開幕まで時間がない。ここはどうだろう。チームを半分に分けて、テンガンざんの西側と東側に別れて探すのだ。」
なるほど。それは賢い。
「じゃあ2チームに別れよう。明後日の朝には探し始めるようにしよう」
このチーム初の別行動が始まる。さあ、先に帰ってくるのはどちらなのか。戦いの火蓋(?)が切って落とされた。