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「ところで、何でトバリシティに呼び出したかわかるかい?」
監督が満面の笑みで聞いてくる。
「えっと‥何かイベントがあったんじゃなかったっけ?」
「うーんと‥あっ!トライアウトですか?」
「正解。変な話だけど、ある意味選手を集める良いチャンスだと思うよ。」
トライアウト。各球団を戦力外通告をうけた選手が再びプロの世界で野球をするために受けるテストの様なもの。今年は《トバリドーム》で明日から明後日にかけて行われる。因みに、《トバリドーム》は本来は《トバリジャイアンツ》の本拠地である。
「普通はスカウトマンだけで来るけれど、今年は特別だし球団の全員で行こうと思ってね。」
監督が説明する。
「なるほど。俺は賛成だけど皆は?」
「俺も賛成。」
「僕も」
「決まりだな。じゃあ、明日の朝9:00にこの街のポケモンセンター集合。良いな?」
『はいっ!』
こうして、監督との顔合わせは終了した。
その夜。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!スゲー!」
俺たちが泊まったのは超豪華ホテルのスイートルーム。こんなところ泊まったことない!
「ヤバイ。超良い。」
「毎日こんな感じだったら良いね。」
「無理無理。多分人生最後の経験だぞ。じっくり堪能しとけ。」
結果、堪能することなくぐっすり寝た。