01
ここはトバリシティのとあるホテルの会議室。
「1番 ショート シーア。2番 セカンド リフィル。このコンビは崩したくないな。」
「えっ?オイラが1番なの!初めてだけど面白そう!」
「そいで、3番 レフト ゼル。4番 ファースト ゴン。5番 キャッチャー 俺。この辺はそのときに応じて変わりそうだな。」
「そうだね。でも、現状では僕が4番か。」
「前の対決で、そっちに関しては負けたからな。
6、7、8番がまだいなくて9番 センター ボルト。 現状のベストなメンバーだろ。」
シーズンが始まってからのスタメンを皆で考えていた。
何でこんなことを話していたかと言うと(ある意味暇潰しなのだが)、今後のビジョンをしっかり掲げておく必要があった。なぜなら‥
「やぁ君たち。待たせたねぇ。」
やって来たのは《ミオスターズ》のコータス社長だった。
「お久し振りです、社長。」
「しばらくぶりだねぇ。えっと‥」
そう言えば旅で出会った皆は社長に会うのは初めてか。
「こちらは俺たちが旅の途中で出会った仲間です。で、こちらは俺たちの球団の社長のコータスさん。」
俺がお互いを紹介する。
『はじめまして。』
「はじめまして。私が社長のコータス。ま、仲良くしましょうや。」
そのあと各々が自己紹介をした。
「ほう、あと3人かの。」
「ええ。あちこち探しているんですが‥」
「ここまで見つけたならば良い方じゃろ。」
「ありがとうございます。それで、大切な話とは‥?」
「ほう。そうじゃったそうじゃった。実はの、新監督が決まったのじゃ。ちょっと来てくれ。」
ガチャとドアを開けて部屋に入ってきたのは‥
『ウソやろ!?』
昨シーズンに現役を引退したウインディのレオさん。ルカリオが移籍した《カイナマリーンズ》出身で、現役時代は盗塁王が13回収、首位打者3回、ゴールデングラブ賞も2回獲得しているスゴーーイプレーヤーなのだ。正直、何でこんなチームの監督をしていただけるのか分からない。いや、そんな方のもとで野球ができるってすごーーく嬉しいんだけどね。
「私はこのチームを勝てるチームにする。そして、ゆくゆくは優勝できるチームにね。」
「ゆくゆくはじゃないですよ、監督!」
リフィルの一言に「えっ?」と聞き返す監督。
『今シーズンですよ!』
俺たちの言葉に監督は笑った。
「そうだな。私はお前たちを優勝させる。約束しよう。だからお前たちもついてこい!」
『おおーーっ!』
新《ミオスターズ》への道をまた一歩踏み出した。