01
「だーかーらー!こっちであってるんだって!」
「いや、だってさっきからずっと同じようなところをうろちょろしてるじゃねえか。絶対道を間違えてるんだって!」
ここはハクタイのもり。今俺たちがどうなっているのかというと‥察してくれ!
そんなわけで今俺とゼルはケンカ中。
ガサガサガサ‥
茂みの中から音がする。
「君たちどうしたの?」
出てきたのはリーフィアだ。
「いや、ハクタイシティの方に行きたいんだけど道に迷って‥」
「なんだ。そんな事か。じゃあ僕が案内しようか?」
『良いの!?』
「お安いご用さ。でも、これから森の中は真っ暗になる。危ないから今日は僕の家に泊まって行きなよ。」
「じゃあ遠慮なく。よろしくな。」
俺たちはリーフィアの家に泊まることにした。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
リフィル――リーフィアの名前――の家は一人で暮らすには十分すぎる広さだった。
「遠慮なく使ってね。」
と言われて通されたのは2階の結構デカイ部屋。
「デケェ‥」
とりあえず圧巻だった。
「あっ!」
ボルトが一枚の写真を見つけた。二匹のイーブイが凄く嬉しそうな表情でトロフィーをを持っている写真だ。
「これ誰?リフィル?」
「僕と双子の兄のシーアだよ。」
「右がリフィルだよね。」
どっちも同じにしか見えん‥。
「違いがわかるのか?ってか進化してるのに進化前の姿を判別できるのか?」
「わかるよ。目付きとかまんまじゃん。」
‥さいでっか。イーブイの事はイーブイに任せよう。
「ところでこれ、いつの写真なの?」
「これは少年野球の西シンオウ大会で優勝したときの写真だよ。」
西シンオウ大会!俺も昔出たなあ。ベスト16だったけど。
「ポジションは?」
「僕がセカンドでシーアがショート。あのときは《最強ショーセカンコンビ》なんて言われたっけね。」
聞いたことがある。どんなに難しいゴロも必ずゲッツーをさばけるとか。
「今からキャッチボールするか?」
「えっ?」
ボルトのいきなりの誘いに戸惑うリフィル。
「野球やってたんだろ?」
「まあそうだけど‥。何年ぶりだろう。できるかな?」
「やってみようぜ!さあ、早く早く!」
「あっ!待ってよ!」
そう言ってボルトは飛び出していった。それにリフィルも続く。
「あいつってあんなに強引だったかな」
「さあね。でも見ろよ。あいつのスゲー嬉しそうな顔。」
「弟でも出来たみたいだよね。ねえ、僕たちも行こうよ!」
『賛成!』
俺たちも部屋を飛び出した。