02
4番キャッチャーか。俺は恐怖を覚えた。
こいつがウチのチームに入ったらどうなるんだろうと思った。ましてや《ポケッチカンパニー》の野球部だぞ。社会人野球で昨シーズン優勝しているチームのキャッチャーなんて、一応プロ野球選手の俺であっても何もかもが劣っていそうだ。そしたら俺はどこを守ればいいんだろう。
「4番キャッチャーか。ウチのバーンも4番キャッチャーだぞ。」
ゼルめ、余計なこと言って。
「そうなの!?どこのチーム?」
ゴンが驚く。テーブルの上に体をのり出した。
「《ミオスターズ》所属。背番号は2。」
「スゴいなぁ。プロ野球選手なんだもん。」
そう言うと、何かを思いついたようだ。
「ねぇ、勝負しようよ!どっちが4番キャッチャーに相応しいかね。」
「勝負!?」
それはマズイ。ただでさえ負けそうだとか思っているのに、アマチュア選手に負けるプロ野球選手なんて聞いたこともない。
「それは面白そうだな。バーン、どうする?」
ボルトが俺に聞く。
「ひょっとして逃げる?」
ゴンめ、好き勝手言いやがって。
「上等だ。やってやろうじゃねえか!」
俺はむきになっていた。絶対負けねえ。
「そうこなくっちゃ!」
「よし。そしたら勝負は3日後。場所は‥」
「僕たちのチームのグラウンドを使おう。3日後はOFFだからね。」
ゴンが提案する。
「臨むところだ!」
こんなにナメられて俺はスゲー悔しい。
絶対見返してやるんだから!