04
その夜。父さんが帰ってきたところで皆でご飯。
バオップの希望通りのハンバーグ!
「ヤッピーそれとって!」
「待って!僕が使い終わったらね!」
「じゃあバッピーの次はオイラ!」
初等学校グループはもうテンションMAX。
「ほら、行儀よく!」
それの世話をする中等学校に通うルクシオのルークとブラッキーのブギーは忙しそうだ。
俺は、父さん、母さん、リーフとフローゼルと一緒に食事した。一家揃っての食卓ってのも良いね。
でも、サンダースは独りぼっち。
「こっち来ないの?」
リーフが聞いても、
「いいです。」
こんな調子だ。
「あの子どうしたの?」
俺は父さんに聞いてみた。
「こんな事言っていいのかわからないけど‥」
声を潜める。
「なんでも家族に‥」
「父さん!」
リーフが父さんを止める。
「‥ごめん。でもダメだよ。」
「‥だな。さ、食べよう!
そうだ。何で帰ってきたんだ?」
父さんが話題を変えて、サンダースについては一区切り。それ以降、サンダースの話が食卓に上がってくる事はなかった。
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食事を終え、帰り道。
「なあ、サンダース。帰ったらキャッチボールしないか?」
「え?いや俺は‥」
「いいからやろうぜ!グラブは‥」
「ありますよ。わかりました。」
「あ、あと俺と話すときは敬語じゃなくていいからな。」
なんか俺一方的?いや、こんぐらいがっつかなきゃダメだな。
まあいい。会話する機会はできたから。
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「さあ来い!」
「OK!《シャドーボール》!」
パシンっっっっ!!
ああ、良い音。超気持ちいい!
「良いね!さあ行くぞ!《ジャイロボール》!」
あっ、ヤベ。失投しちまった(笑)
それにしても、あいつスゲー楽しそう!
「どうだ?うまくいきそうか?」
フローゼルだ。フローゼルもサンダースが独りぼっちでいる事に心配していたのだ。
「ああ。でも、野球好きってよくわかったな。」
「まあな。野球の話を俺たちがしていたときの表情がちょっと違ったからな。」
流石。視野が広い。
「さあ行くぞ!《シャドーボール》!」
おっ、来た!超良いボール!
「見ろよあいつの顔。『いいです』なんて言ってた時と全然違う!」
やっぱり野球は楽しい!