02
フタバタウンに着いた。
この町には球団がないから来るのは始めて‥と言いたいが、ここは俺の育ったところ。一度家に帰ることにした。フローゼルも一緒に誘った。ま、宿泊代が浮くしね(笑)
「ただいま!」
「あ、バーン兄ちゃん!おかえり!」
「えっ?」
「そりゃ驚くよな。俺の名前を始めて知ったから」
「いや、それもそうだけど‥弟君は‥?」
「ああ。リーフのことか?」
そう。俺の弟はベイリーフだ。
それだけじゃない。父さんも母さんもメガニウム。どっからどう考えてもヒノアラシが産まれる家系ではない。
「ごめん。嫌なら答えなくていいんだけど‥」
「いや、ちゃんと話しておくと、俺はたまごの時に捨てられてたらしいんだ。」
チームメイトに言ったことのないことだ。
「そっか‥。辛かったんだな」
「そうでもないさ。」
俺は明るい声で言う。わざとじゃなくて、本心から。
「父さんも母さんもリーフも皆俺と普通に接してくれる。だから、俺は皆に恩返ししたいって思ってこの世界に来たんだ。」
「‥何かスゲーなお前。そこまでポジティブに考えることができるんだもん。」
これくらいの気持ちがないとキャッチャーでやっていけないからな。
「そういえば父さんと母さんは?」
「あれ?さっきまで居たのに。買い物かな?」
「ここよ!おかえりなさい!」
見ると、小さな子供達と手をつないで部屋にやって来た。
「ただいま!って、その子達は?」
「あれ?そういえば言ってなかったっけ。家で孤児院の仕事を始めたんだよ。」
「孤児院?」
そんなの初耳だ。