06
その後、サンダースは自分の口から孤児院の皆に《ミオスターズ》入団を決めたことを告げた。まともに話をしたことのないやつばかりだから、驚いていた。でも、
「サンダースのおにいちゃん、やきゅう、がんばってね!」
「オイラ達も応援するからね!」
なんて応援されて、サンダースは凄く嬉しそう。
「ありがとう!俺、頑張るから!」
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小さい子達が寝静まったところで、父さん、母さん、リーフ、俺、フローゼルとサンダースはミックスオレを飲みながら話していた。
「あそこまで何も話してくれなかった子は君が初めてだよ。」
「エヘヘ‥。今思えばもっと皆と話をすれば良かったなって思うよ。」
「よくバーン達は話してもらえるように頑張ったな。」
「いやあ。それはフローゼルがサンダースが野球好きだっていうことに気付いたからだよ‥」
父さんは、サンダースが皆と話ができるようになったのが相当嬉しいみたい。サンダースの事を本当に自分の子供の様に接してる父さんをスゲーと思う。
「でも、皆こんな俺をどうしてここまで優しくできるんだろう。皆と上手く馴染めなくて‥
でも、そんな俺に皆は色々話しかけてくれた。
街で会ったら『一緒に帰ろう!』とか、朝起きて『おはよう!』とか。
でも、こんなに優しくしてくれるのに、俺の反応は0で、皆俺のこと嫌なんじゃねーかなんて思って‥」
サンダースは目に涙を浮かべて話した。
「そんなこと‥」
「そんなことないよ!」
リーフが話そうとしたとき、上から声がした。
慌てて俺たちが駆けつけると‥
「お前達にはアニキの気持ちがわかるわけない!」
「マル、ルーク、落ち着け!」
フタチマルのマルとルクシオのルークがにらみ合っている。一触即発の状況だが、なんとかマッスグマのマークが仲裁に入っている。
「‥知らねえくせに」
「えっ?」
「マーク兄もルークも、アニキがどんな気持ちでここで生活してるのか知らねえくせに!」
「マル!」
サンダースが部屋に入る。
「アニキ‥ごめんな。
俺、アニキに変なこと思い出させたみたいだ。」
「そうか。お前‥」
そこまで言うと、サンダースは窓の外を見て、
「やっぱり皆に俺の口から話しておかなきゃな。」
と言った。
「俺、本当の両親は殺されてるんだ。」