07
「3回の裏、《ミオスターズ》の攻撃は、エルレイドに変わりましてゴウカザル。バッターはゴウカザル。」
「ほらほら!いきますよ!」
身体中の闘志をメラメラに燃やしてエンが打席に入る。
「代打なんだから、3球空振りして帰ってこいよ!」
俺がベンチから叫ぶ。相手のピッチャーはさっきの回に好投したユキノオー。
その打席の初球。
「《こおりのつぶて》!」
いきなり!なかなか攻めてくるコースがエグい!
「《ほのおのパンチ》!」
カキーンっ!
『嘘!?』
皆口をポカーンと開けていた。いや、しかしよくあんなにエグいコースを弾き返したな‥‥。レフト線を破っていく。さすがにひこうタイプを併せ持つでも間に合わない。その間エンは《かえんぐるま》で加速。一気に三塁まで走る。あっという間にノーアウト3塁。
次はシーア。もうする事はひとつ。
初球、スクイズされないようにボールに外した球を‥
「《てだすけ》!そして《アイアンテール》!!帰ってこい、エン!」
「《かえんぐるま》!任せてください!」
コツン
一塁線にきっちりと転がす。マスキッパが追いついてホームにトスをするが、
「セーフ!」
すぐにフシギバナはファーストに投げるも
「セーフ!」
1点追加!
あ、今ユキノオーがキレたように見えた。攻めドキじゃねえか?
8番リフィル‥《アイアンテール》でしぶとくレフト前に運ぶ!(今度は右打席だった。)
9番ボルト‥一二塁間をまっぷたつに破っていく。ライト前。
連打で繋げてノーアウト満塁!
「バッターは、1番 サード ライト。」
ここで初回にスリーベースヒットを打っているライトに打順が回る。
「ライト!落ち着いていけ!」
多分大丈夫だろう。俺の声に左手を上げる。
向こうは今、何としても内野ゴロを打たせたいはずだ。きっと変化球から攻めてくる。
どうやらライトはそこまで読めていたらしい。初球だった。
「《こおりのつぶて》!」
《こおりのつぶて》で重くなった球。かつそれでいてスライダーを投げた。が‥
「それを待ってた!《アイアンテール》っ!!!」
カキーーーーーンッ!!!!!
超ジャストミート!打球はぐんぐんぐんぐん伸びていき‥バックスクリーンに飛びこんだのだ!!
『ワーーーーーーーッッッ!!』
スタジアムは大歓声に包まれた!
そう。俺たちは勝ったんだ!!!!!
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《結果》
ミオスターズ 12×-0 コトブキファイターズ
(3回コールド)
勝ち投手 エルレイド
負け投手 ダーテング
ホームラン フローゼル(1)
オオスバメ(1)
ピカチュウ(1)