04
「ジュンって誰?」
ボソリと言った独り言がブイには聞こえてたようだ。
「ジュンは僕の双子の弟だよ。って言っても暫く会ってないんだけどね。」
「暫く会ってないって?」
エリが質問する。
「僕の父さんと母さんは僕が中学生の時に死んでしまったんだ。で、僕は父方の親戚に、ジュンは母方の親戚にそれぞれ引き取られることになったんだ。それ以来アイツに会ってないんだ。でも、僕はまたジュンに会いたい。その為にも世界を守らなきゃいけないんだ!」
僕は思わず立ち上がる。
「よし、決まりだ!ヒート行くぞ!」
「了解!」
ソウとヒートは立ち上がると、ドアに向かって駆け出した。ちょうどドアノブを握ったとき。
「待って!どこに?」
ミナミが止める。
「修行だよ。前からヒートと話し合ってたんだけどな。これから強い相手と戦うのに、こいつには申し訳ないけど不安なんだ。」
「決戦まで時間もないし、早く強くならないといけないんだ。だから決戦まで修行しようと思うんだ!」
「なるほど。それじゃあさ、情報収集も兼ねて決戦まで個別行動ってのはどう?」
ミナミが皆に提案する。
「僕は賛成だよ。コウキは?」
「僕もだよ。」
「それじゃあ、何か情報を掴めたら皆に電話ね。」
こうして皆は三々五々、別れていった。
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「さてと。僕たちはどうするかな?」
誰も居なくなったヒロヤの病室に残ったのは僕とブイとピース。
「一晩はここで過ごそう。誰かヒロヤの様子を見ていなきゃ。」
ピースの提案に賛成した僕たち。病室のポットを借りてコーヒーを淹れた。ブイとピースには自販機で買ったミックスオレ。
「個別行動って言ってもね。どうしようかな。」
「まずは7人目の戦士を探そうよ。とりあえず今の僕たちの旅の目的は仲間を探すことだしね。」
「何だかんだでもう6人見つけたんだよな。」
「そうか。もうそんなにいるんだね。ここ2~3日すごいたて込んでたから気づかなかったけど、改めて考えれはすごいよね。」
そんな思い出にふけりながら男ども3人でお茶(?)してると病室のドアがギギーッと開いた。何しろ開く音が音なもんでして、
『うわっ!!』
僕たちはビビってしまった。
「何よ。肝っ玉の小さい男たちね。」
「男の風上にも置けませんね。」
そこにいたのはエリとオルだった。
「いや、そりゃビックリするよ!」
何せブイはイーブイのときは案外臆病なのだ。
「でも何でエリがここに?」
僕は尋ねた。
「私、コウ君やブイちゃん達と一緒に旅をしようと思ったの。ダメかな?」
「いや、そんなことないよ!」
「コウキ、顔真っ赤だよ。」
「ピースうるさい!」
「ほら、怒らないの。行くの?行かないの?」
「行く!」
「そう来なくっちゃ!出発は明日の朝ね!」
そう言って病室を出た。まるで嵐のような時間は過ぎ部屋にはまた平静が訪れた。
「ふふっ。なんだか楽しくなりそうだな!」
「うん。じゃあ寝よっか。」
「明日も頑張ろ!」
電気を消して、病室のソファーで寝た。