07
「彼は、私たちがあなたの世界に送り込んだ使者なのです。」
『使者!?』
「ええ。その際、私は彼の心を奪いました。過去の戦士の魂を定着させやすくするためにですね。
最初からこの計画はあったのです。わざと魂を定着させて戦士を『創る』と言うのは。」
「人の心を何だと思ってるんだ!」
僕は我慢の限界。《ほのおのパンチ》をSに向かって放った。
「ヒロヤ」
ヒロヤは無表情でSを守る。
「ヒロヤ!お前はそんなやつのことを守る必要なんて全くない!僕たちと一緒に戦おう!」
「無駄ですよ。言ってるでしょ。石の力でときどき心を持ちますが、それも一時的なもの。これが本当のヒロヤなのです。そして、いままで彼を『操作』していたのは私なのです。」
「てことは街をこんなにしたのも‥」
「私ですよ。」
『ふざけるな!《だいもんじ》!』
もうコイツにはブチギレた。
「ヒロヤ」
「《まもる》」
さっきと同様、Sを守るヒロヤ。
――将を狙うと同じことの繰り返しだ。だったら‥
「足元から崩すってこと!?そんなことできっこ‥」
(そんな時間ねぇ!どうすんだ!)
「くっ、しょうがない!《かえんほうしゃ》!」
覚悟は決めた。全力でぶつかる。