07
翌朝、アイが僕たちを迎えにきた。昨日の事もあり、ソウとヒートも一緒。
「僕たちをわかってくれるかな?」
とにかく不安だった。昨日の一件もある。完全に僕たちを敵扱いにしたら‥
そのとき、僕の右手の中指をギュッと握る感覚がした。ブイだ。
「大丈夫。きっとわかってくれるさ。」
優しく、でも僕に力強さを与えてくれる、そんな握り方だった。
「うんっ!だよね!」
思わずブイをギュッ抱きしめる。
「もふっ!ちょ‥ほうひ、くるひいよ‥‥」
超全力で手足としっぽをバタバタさせる。
「あっ、ごめん!」
「ぷはーっ!窒息するところだったよぉ。どうかしたの?」
「いや、ブイを抱いていると安心すると言うか‥。ごめんね」
「さあ、着くよ。」
パトカーは病院の駐車場に滑り込む。
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ヒロヤの病室は3階だった。キノガッサも同じ部屋に入院しているらしい。
「ここね。」
そこは一番奥の角部屋。まるで隔離されているかのような場所だった。
「行くよ。」
コンコン‥
「昨日のジュンサーさんとマグマラシとイーブイだろ。入れよ」 中から返事があった。
「じゃあ遠慮なく。」
アイが結構ずかずかと入っていく。
『お邪魔します‥』
それに対して僕はおずおず。
「なんだ?テメエら肝っ玉小せぇなぁ。そんなんで俺にとどめを刺すことなんてできっこねえよ。」
「そんなことしに来たんじゃない。」
僕はキッパリと言った。
「ヒロヤ、君に聞きたいことがある。君は僕たちの敵なの?それとも僕たちは君の敵なの?」
「そんな事を聞いて何になる。」
「君が僕たちをどう思っているか知りたい。」
「それは俺たちが昨日戦ったからということか?」
僕は頷く。
「‥フフフッ、アッハッハッハッハ!!」
突然笑われた。なんかいい気分がしない。
「いやぁ悪い悪い。因みにお前はどう思うんだよ。」
「僕?僕は‥やっぱり同じ『戦士』として一緒に戦いたい。その為にここに来たんだ。」
「そう言って貰ってうれしい。」
昨日「これは俺の力だ!俺がどうしようと俺の勝手だろ!」と言った奴の言葉とは思えない一言だった。何か人が変わったと言うかなんと言うか‥。
とりあえず僕たちは今の一言を『戦う意志がある』と確認。面会時間の都合もあり、その後部屋を去った。