06
目を覚ました。身体がすごく暖かい。
(大丈夫か?)
「ああ‥ってええっ!?」
(どうした?)
「姿が違う‥。まるでブースターだよ。」
――そりゃそうさ。進化したんだよ。さあ、細かい話はあと。相性的に有利になったぜ!
確かに。進化した以上、有利な状況はかわらない。
「いっちょやるか!行くよ!」
(おう!)
《にほんばれ》の効果が現れている今こそ!
「喰らえ!《オーバーヒート》!」
「たかだか進化で俺を倒せると思うな!《ソーラービーム》発射!」
お互いに放たれた光線はぶつかり合う。
「行っけぇっっっ!」
こっちが勝った!そのまま炎はヒロヤにダメージを与える。
「うがぁっ!」
ヒロヤは倒れた。すると、シンクロが解けたようで、そこには一人のニンゲンと一体のキノガッサがいた。
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その後、2人は救急車で病院に運ばれた。
「大丈夫かな?」
(大したケガじゃなさそうだし、問題ないんじゃねえか?)
さっきからどうも気になってることがある。
「ブイの言葉遣いってそんな乱暴だったっけ?」
まるでピースのような言葉遣い。進化してポケモン柄が変わったんだろうか。
(そうか?いつも通りな気もするけど‥)
全然違う。
「まあいいや。とりあえずもとの姿に戻ろう。」
僕たちはシンクロを解除する。そこには驚きの光景が。
『ええっ!?』
ブイの姿がイーブイに戻っているのだ。
――だから言ったろ。『この力を使え!』って。シンクロしたときならブイを進化させる力を手に入れたんだ。ピンチのときは呼んでくれ。
「‥だそうです」
僕たちは顔を見合わせた。
「じゃあ、次シンクロするときはブースターになっているってことかな?」
「僕にはわからないや。」
「コウキ君!」」
アイの声。
「大丈夫?ケガはない?」
「大丈夫ですよ。でも‥」
「心配よね。ヒロヤ君のこと。」
「アイさん、ヒロヤ生きてますよね?死なないですよね?」
とにかく怖いのだ。仲間を倒してしまい、自分には罪悪感しか残ってないのだ。
「大丈夫よ。容態はそこまで悪くないらしいわ。で、提案なんだけど、明日ヒロヤ君に会いに行きましょう。しっかり話をして、私たちのことをわかってもらうチャンスよ。」
それには僕も賛成だ。まずば謝りたかったし、話もしたかった。
「決まりね。じゃあ、明日ポケモンセンターに迎えに行くわ。そのときはソウ君も一緒に来てね。」
その夜はそう言って僕たちは別れた。