03
「碧の戦士‥」
アイの姿は凛としていて勇ましかった。
「カッコいい‥」
「カッコよさだけじゃダメなの。」
見とれている僕たちにアイはハッキリ言う。
「レックウザがこの力を与えたのには意味がある。その力を過信して利用してはいけない。私たちは戦う為にこの力を与えられた。人を襲う為に与えられた訳じゃない。」
「ですよね!だからあいつが選ばれし戦士だなんて‥」
「でもね。」
アイはソウの言葉を止めた。
「私たちは7人で戦わないと意味がないの。だから私は何としても
ヒロヤ君仲間として暖かく迎えたい。」
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その後アイにポケモンセンターまで送ってもらった。
「私はここの勤務だから、余りここを離れる事はできないわ。連絡をとりたいときはここにお願いね。」
そう言ってアイは僕たちにメアドを書いた紙を渡した。
「3人目の仲間か‥」
「何か、素直に喜べないね。」
「だな。」
アイのパトカーが去るのを見ながら僕たちは話した。
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僕は部屋に入るとベッドにダイブした。
――どうしたんだ?
どこからか声がする。ぶっきらぼうな感じからするとピースだろう。
「アイさんってすごいなってね。僕もあんな風になれるかな?」
――お前はどうなんだよ。
「僕は戦いたい。でも‥」
――でも?
「もし、皆を守れなかったらって思うととても怖いんだ。アイさんはどうしてあそこまでマジになれるんだろう。怖くないのかな?」
――相当怖いんじゃないか?
「えっ?」
――世界を守るだなんて普通の生活をしていたらかなりあり得ない事だろ?誰だって怖いに決まってる。でも、アイさんにはその恐怖を乗り越える大きな存在がある。
「大きな存在?」
――ああ。それは仲間だよ。石を持つ仲間がいるから乗り越えられるんじゃないか?だから、この力を過信しているヒロヤにも仲間として接したいんだろう。
「仲間‥」
――お前もソウのときにわかってもらおうと頑張ってたじゃねえか。ヒロヤにもわかって欲しいんだろ?そしたらやるっきゃねえって!
「そうか。アイさんには警察官って建前がある。でも、僕には一人の戦士として話ができるかも。」
――だろ?そしたらお前のやることが見えてきたじゃねえか。
「そうだね。僕もヒロヤを探して話をしたい。そうしたらわかってくれるはず!ありがとう!」
僕は跳ね起きた。そこには心配そうな目で僕を見るブイとピースがいた。
「どうしたの?」
状況が全く飲み込めない僕は二人に聞いた。
「『どうしたの?』じゃねえよ。むしろこっちが聞きてえよ。」
「ずっと一人でブツブツ言ってたからね。」
「マジでニンゲンが崩壊したかと思ったよ。」
「って言うか今の声ってピースじゃないの?」
「違うよ。ってか声なんてしたか?」
「いや。僕は聞こえなかったよ」
――そうか。ブイもわかんねえか。
まただ。一体誰なんだ?
――コウキ。すまんがちょっと肉体を借りるぞ。
えっ?
次の瞬間、体が軽くなっていく‥。と思ったら今度は強い力で何かに引っ張られる!まるでシンクロしているときみたいだ。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
その後、僕の目の前が真っ暗になった。