01
イケブクロに戻ってくると、妙な噂が飛び交っていた。
「ポケモン人間が出たんだとよ!しかも2人!」
ポケモン人間だって!?しかも2人?
「ビル街で戦っていたよね」
「相性的にはマグマラシだけど‥」
マグマラシ!?まさかソウが‥
「コウキも感じる?この胸騒ぎ。」
「ああ。嫌な予感しかしない。」
「行ってみるか?」
僕たちはビル街へと向かった。頼むから手遅れにならないで‥
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ビル街に着くと、そこは荒廃した様子だった。まるで戦争のあとの焼け野原だ。
「ソウ、迎えに来たよ。」
ソウとヒートは毛布にくるまって、警察のテントの下に座っていた。その目は昨日とは全然違う、まるで死人の様な目をしていた。
「コウキ‥すまない。」
一発怒ってやろうかと思ったが、思ったより事態は深刻そうだ。ここはそっとしてやろう。
「ねぇ、君は彼の友達?」
ジュンサーさんが声を掛けてきた。
「はい、そうですが‥」
「ちょっと警察署に来てもらっていいかな?彼もこんな状態だし、君も何か知ってる様な風だったしね。」
つまり、何もかもを話せってこと?僕は答えていいかわからなかった。
「ブイ、どうなの?」
「うーん。誰にも言わないって約束してくれるんだったら良いですよ。」
「分かったわ。」
ジュンサーさんがそう言うと、僕たちはパトカーに乗る。ソウの目はまだ死人の様だった。