06
翌朝。
「いや、マジで頼む!レックウザに会わせてくれ!頼むよぉ〜」
「いやだから、ピースは石を持ってないでしょ?
レックウザには石を持ってないと会わせられない決まりなんだって!」
「そこをなんとか‥」
「無理なんだって!」
朝からやけにブイとピースが騒々しい。
「おはよ〜」
「朝から兄さん達どうしたの?」
隣の部屋で寝ていたヒートとソウがやってきた。
「レックウザに会う会わないでもめてるみたい。
ピースは石を持ってないから会えないってブイが
何回も言ってるのに、ピースは会いたくて会いたくてしょうがないから、そこをなんとかってせがんでるところ。」
「ふーん‥」
ちょっと2人は考え、
「それって‥ねぇ。」
顔を見合わせた。
「うん。行くだけ行ってみて、ダメだったらピースが諦めればいい話だよね?」
『それだ!』
えっ!?二人とも納得しちゃったよ!
長々とやっていたこの時間は一体何だったの?
言いたいことは山ほどあるが、まあ、出発が遅れるのもあれだから後で。
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イケブクロからバスに揺られること30分。オシアゲに到着。そして、レックウザが住む『空の木』にやってきた。
「いよいよだな。」
「これで、すべてが分かるんだよね。」
何故この世界に僕はいるのか。
そもそも何故僕なのか。
『ユウキ』というニンゲンの存在。それがどう僕に関わっているのか。
「‥行くよ。」
ブイが歩き始めた。僕たちもそれに続く。
ついに僕たちは『空の木』に足を踏み入れる。