05
「前から気になっていたんだ。いきなりぶっ倒れたり、やけに寝睡眠時間が長かったりするから、おかしいなとは思ってたんだ。」
なんだ。やっぱりブイは分かってたんだ。こいつに隠しとおす事はできないんだと思った。
「それはね、《夢の叫び》って言うんだ。
夢を通じて前世と現世の魂が接触する事だよ。
今回、ユウキとコウキの魂が接触した。いや、ひょっとしたら今後も接触する可能性があるね。
と言うことは‥」
と言うと、ブイは「ふふっ」と笑みをうかべる。
その顔は、どことなく怖かった。
「どうしたの?」
「えっ?あっ。いや、何でもないよ。
そんなことより、明日はオシアゲの方に行くよ。
この地方で一番空に近い所にね。」
オシアゲ‥押上‥空に近い所‥あのタワーか?
「それは何で?空に近い所である必要はあるの?」
何となく見当はつくけどね。
「それは明日のお楽しみ!」
何かスゴく嬉しそう。
「あ、お楽しみといえば。これから皆で食堂でご飯だから早く降りて来てね。先生も意識が戻ったら動いていいって言ってたから。それじゃあ僕は先に行くよ。」
そう言うと、ブイは僕のひざからピョンと降りて、そそくさと下に降りて行った。
その瞬間。
ぐぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
あっ。今までかつてない位にお腹が鳴った。
「ご飯か。降りよ。」
僕はベッドを降りた。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
食堂のドアを開けると‥
ぱんっ!!
ぱぱぱんっ!!!
「うわっ!」
びっくりした!クラッカーか?
『お誕生日おめでとう!!!』
えっ?
「おいおい、そりゃないだろ〜」
「今日は何の日か覚えてないとかないよね?」
今日は2011年10月2日。僕の16歳の誕生日である。奇しくもグラードンとカイオーガが復活する一年前だ。
僕の誕生日なんてこの世界に来て誰にも話してない。
「何で?何で今日が僕の誕生日だって知ってるの?」
「そんなの簡単。」
ヒートが言うと、皆の視線がブイに集まる。
「だって僕は相棒だよ?パートナーの事がわかってなくてどうすんの?」
「ブイ‥」
「ほら、自分で空気を重くしてるよ。もっとライトにいこうよ!せっかくの誕生日なんだよ!」
そうだ。僕の誕生日なんだもん。主役が凹んでどうすんの?
ぐぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!
「あっ!」
「ほらぁ。お腹が鳴っちゃったじゃん!!
こんな食べ物を目の前にお預けにされている身にもなって(笑)」
ピースが嫌みったらしくいう。
ぐぐぅぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!!!
「ほら。お腹は嘘つかないからな。」
「はは‥そうだね。よし。食べよう!!せーの!」
『いっただっきま〜〜〜〜〜すっ!』
僕にはこんなに優しくしてくれる仲間がいる。
だから、護ってあげなくちゃ!