03
「ユウキってどんな人だったの?」
「うーん。どんな人って言われるとね‥。」
ちょっと口ごもった。
「何かエピソードある?」
「えっと‥あまり言いたく無いけどね‥。
ユウキと僕が離ればなれになったときの話をするね。」
と言うと、ブイは僕の膝の上に座った。そして、僕の目を見つめる。なんか恥ずかしい。それほど真剣に話をしてくれるのだろう。
「10月2日はこの世界では《勇者の日》って呼ばれているんだ。それはなぜかって言うと‥」
ブイはここで一息入れる。
「今から99年前、1902年10月2日。
ちょっとこの辺りかな?戦争があったんだ。」
「戦争?」
やっぱり。《あの話》なのだろう。
ま、ここはちょっと黙って。
「うん。それは100年に一度目覚める2人の《神》が関わってくるんだ。
グラードンとカイオーガってわかる?」
「ああ。確か《陸の神》と呼ばれるグラードンと、《海の神》と呼ばれるカイオーガ。世界はこの2人の神によって作られた言っても過言ではない。」
と、これは小さい頃にみたアニメの情報。
「そう。だから、2人とも目覚めると世界の秩序は乱れる。そこで、3人目の《空の神》レックウザの力を利用して、2人が目覚めても力の均衡を保てるようにした。」
「利用して?その使命を受けたのがユウキってこと?」
「うん。だから僕とユウキはシンクロできた。」
「え?」
ちょっと待って!
「『だから僕とユウキはシンクロできた』?それって‥」」
「‥その話は今度ね。」
果たして今は『逃げた』のか。
「