08
ガラガラ‥
ヒートがドアを開ける。
「失礼します‥」
かなり気まずいのだろう。またおずおずヒートだ。
ここは僕から空気を作らなきゃ。
「はじめまして。僕はコウキって言います。よろしくね!」
軽く自己紹介をすることにした。
「僕はブイ。コウキの相棒だよ。」
「俺はピースだ。よろしくな!」
ブイとピースが僕がどうしたいのかを察したのか、あとに続く。
「皆、僕の仲間だよ!」
ヒートが落ち着きを取り戻したみたい。ようやく一言喋った。
その後、僕たちは結構打ち解けた。
今までの旅での出来事。
僕とブイが初めて会った時のこと。
どんどん話が進んでいくにつれて、とうとうソウはそのことに気付いた。
「お前‥あのときのヒノアラシなのか?」
はじめのうちは『助けてくれたマグマラシとそのトレーナー』って認識だったんだろう。
ソウには悪いが、ここはヒートにとって大きなチャンスだ。
「ヒートが何でここにいるのか分かるかい?」
「ああ。《赤の戦士》として戦って欲しいってことだろ?」
「そう。それはね‥」
「コウキ!」
ヒートがとめた。
「もういいよ。ここからは僕が自分で説明する。僕の口からちゃんと説明しないと、分かってくれないよ。」
そういうと、首から下がっている赤い石を手に取る。
「ソウ君。君はきっとこの石を持っているはず。」
ソウはこくりと頷くと、リュックの中から石を取り出す。
すると、ヒートの石とソウの石が赤く光を放つ。
「この石は、神に《戦士》として選ばれた二人だけが持つことを許された特別な石。因みに、コウキと兄さんは蒼い石を持っているんだ。」
僕たちも石を見せる。
「単刀直入に言おう。僕と君は《赤の戦士》として選ばれたんだ。是非僕と一緒に戦って欲しい。」
ヒートにしては頑張った方だろう。
問題はこれがソウにわかって貰えたのか。
「実は‥」
ここでソウが重い口を開いた。