05
駆けつけてみると、一人の少年が4人の不良にリンチされていた。その少年は身体中アザだらけで額からは血が出ているではないか!
「あいつら‥ブイ!行くよ!」
「待って!」
振り返るとヒートとピースが居た。
「2人とも!どこ行ってたんだよ。心配したんだよ!」
「ごめん。でもその話はあと。」
ヒートが一拍間をあける。
「彼は僕の相棒。ここは僕に戦わせて!」
「しかし、そのナリじゃあ‥」
「いいから!戦わせてよ‥」
やけに今日のヒートは強気だ。
「わかった。ただし、戦況が厳しくなったら僕たちも参戦する。いいね?」
ヒートは黙ってこくりと頷くと、戦場へとむかった。
☆★☆★ここからヒート視点になります☆★☆★☆
助けたい。彼を助けたい。その一心だった。
僕を理解してくれなかった。でも、助けたい。
だって、相棒なんだもん!
「オイ!」
自分でもビビった。こんな怖い声が出るなんて思わないもん。
「おやおや。こ〜んなにかわいいねずみちゃんが声をかけてくれるなんて‥殺されてぇとしか思えねーな!野郎共!殺ってやろうぜ‥」
「《ひのこ》!」
とにかく助けたい。わかってもらえなくてもいい。
だって、彼は僕の相棒なんだもん!
すかさず《たいあたり》をくりだした。
ゴンッ!
あっ!当たった!
「テメェ、よくもやってくれたなコルァ!」
一人が僕を首から掴む‥と思った瞬間、ごみ箱に向かって僕を投げた!
ガッシャーン!
車イスはこっぱみじん。治りかけた右後ろ足もまた折れたみたい。あ、僕は殺されるのかな。
「ヒート、ここで諦めたら駄目だよ!戦うんだ!」
その声と同時に茶色い姿の‥コウキだ!
そういえば蒼の戦士だったっけ。
コウキとお兄ちゃんの《でんこうせっか》が炸裂する。それだけじゃない。ピースも《ダブルニードル》をを繰り出す。
皆、僕の為に‥
そう!僕がしっかりしなきゃ!
「ウォオオオオオオアアア!」
あれ?力がみなぎってくる!
右後ろ足の痛みが無くなっていく!
それだけじゃない。僕、立ってる!
そして、身体が光を放っている!進化だ!
身体中の光が消えると、いつもの姿はそこに無い。
そう。やはりマグマラシに進化したんだ!
足の痛みはない。進化のパワーって凄いな。
うん。今の僕にはきっとできる!
「ウォオアアア!喰らえ!《かえんぐるま》!」
あと少し。いける。いける。助けられる!
「いっけぇぇぇぇぇぇ!」
出しきれる全ての力を振り絞る。
それを見て奴等はビビったのか、
「おい。行くぞ」
と言ってどこかに消えた。
「ハァ‥ハァ‥ソウ君‥‥大丈夫かい?
たす‥けに‥‥きた‥‥‥‥」
僕の目の前が真っ暗になった。
でも、1つだけ確信がある。
僕は勝ったんだ!