02
そんなこんなで時刻は10:00になった。
「遂に始まるね。」
「あぁ。緊張するな。」
「さあ。行くよ。は〜じ〜め〜の‥」
『い〜〜〜っぽ!』
僕たちの旅が幕をあけた。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「ここはどこだろう?」
「キレイな町並みだね。道の横に植わってる木がとてもキレイ。」
「俺、森も好きだけど、ここも好きだな。」
こんなにキレイな町に相応しくない音が。
ぐ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
「あっ。」
「それ、コウキの腹の音か?」
「超恥ずかしい‥」
「あはは‥」
ぐぐ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
「おや?」
「あはは。僕もお腹減っちゃった」
ぐぐぐ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
「あれ?」
「お?ピースもか?」
「いや、勘違いすんなよ?俺は空気を読んでだな‥」
「見栄張らないの。おなか減ったんでしょ?素直じゃないなあ。そしたら、昼御飯にしようか。」
『賛成!』
その時、茂みの中からポケモンが出てきた。
ヒノアラシだ。歩き方がすごくよたよたしている。
「あの‥‥ぼく‥にも‥わけていただけ‥」
次の瞬間、ヒノアラシは倒れた!
「おい!大丈夫かよ?」
ピースが聞くも、反応がない。
「すぐにポケモンセンターに運ぼう。」
僕はヒノアラシを抱き抱えて走り出した。
頼む、間に合ってくれ‥
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「後ろ右足の骨折と栄養失調ね。全治2週間ってところかしら。」
「かわいそうに‥。こんなにしんどそうなのに、僕たちは何もしてあげられない‥」
「ここに連れてきただけでも立派よ。救える命が1つふえたんですもの。」
ジョーイさんはそういうが‥
「だったら俺たちが2週間、彼に付き添うよ。」
意外だった。ピースがそんなことを言うなんて。
「え?あなたたちには旅があるでしょう?」
「大丈夫です。急ぎじゃないんで」
ブイも続く。
「お願いです。僕たちに手伝わせてください。」
「‥わかったわ。じゃあ、お願いね。何か変化があったらすぐに連絡してね。」
『はい!』
そういうと、ジョーイさんは部屋を出た。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
「やっぱりピースって優しいよね。」
僕はピースの言動に驚いた。
「あぁ。こいつも捨てられたポケモンかもしれないって考えたら気になって‥」
「なるほどね。あ、皆昼御飯にするかい?《腹が減っては戦はできぬ》って言うじゃん。ジョーイさんに許可はもらってきたよ。」
「そういや朝御飯以来何も食ってないな。ブイは?」
「‥‥‥‥‥‥」
反応がない。
「ブイ?聞いてるかい?」
「はっ!?ごめん。何かな?」
聞いてなかったようだ。
「いや、昼御飯食べるかな?って」
「あ、食べる食べる!今行くよ」
慌ててブイがこっちに来る。
「ブイ、何か隠し事でもあるのか?」
ピースが単刀直入に聞く。
「‥いや、特には」
「だったら良いんだけど。
何か隠してる様に見えてさ。でも、俺達は仲間なんだからさ、一人で抱え込んでることがあったら何でも言ってくれよ。助けられるかもしれないからさ。」
やっぱりピースは優しい。あの見た目からしたら意外の塊だよね。
「‥ごめんなさい。正直に言うよ。ヒート‥ヒノアラシは僕の弟なんだ。」