第九章 特訓
01
「イテテテテテ‥‥‥。皆大丈夫?」
「私は大丈夫。ジュン君は?」
「ああ、何とか‥。で、ここはどこだ?」
ジュンは起き上がって辺りを見回す。
「特に何か問題が‥」
あった。ジュンの横に《イーブイの姿》のブイと《ルカリオの姿》のオルがいた。
「イーブイ!?それにルカリオ!!?なんなんだここは‥‥。」
ジュンには何が何だか訳がわからんだろう。
「ブイとオルがその姿ってことは‥」
「やっぱりこっちの世界に戻ってきたのね。すると‥」
「お主ら、気づいたか?」
この声‥やっぱり。声の主の方を向く。
「!?」
そりゃジュンはびっくりするわ。
「レックウザ様!お久し振りです。」
「ただ今戻ってきました。」
事情を知っている僕たちはレックウザに挨拶をする。
「れ‥レックウザ!?ってかポケモンが喋ってる!?」
「失礼だなあ。僕たちだって喋るさ。」
むすっとした表情でブイは言った。
「お主には全てを話さなければならないようだな。」

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「えっと‥、100年に一度のグラードンとカイオーガの復活があって、それを悪用してディアルガとパルキアを復活させようとする野郎がいて、だからそいつらをボッコボコにしなくちゃならなくて‥?なんか上部だけ撫でている気がするが‥」
「まあ、後々わかることだってある。どんどん戦って覚えるのが近道だろう。」
「てかさ、そもそも目の前にポケモンがいて信じられるわけないよね‥。初めはコウキもそうだったし。」
ブイがボソリと言う。だが、どうやらジュンには聞こえてたみたいだ。
「うーん。確かにゲームやアニメの中だけだと思っていたポケモンが目の前にいて、普通は信じられるわけない。でも、な!」
「こないだも言ったけど、僕たち普通じゃないから信じちゃう!」
「コウキ!ジュン!」
ブイが目に涙を浮かべて僕に飛びついた。
「ブイ、お前あれだな。スゲー涙もろいんだな!」
「だって‥僕たちを信じてくれるって言ってるんだもん!嬉しくて嬉しくて‥‥」
あーあ!泣き出しちゃった。僕はそんなブイを抱いて頭をそっと撫でた。
このとき、エリがオルに
「私も普通じゃない人なの?」
って聞いたのは秘密である。

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「お主、首から下げてるペンダントをそこに置け。」
ブイが落ち着いた頃を見計らい、レックウザは優しく話しかけた。
「お主の相棒はこの中だな?」
「多分‥。俺、戦っているときのこと何も覚えてないから。」
「よかろう。今からこの石から解放する。」
キョトンとした表情をしているジュン。いや、僕もか。正直何をしたいのかわからなかった。何もないところから何かを作り出すのは不可能だからだ。
しかし、レックウザはそんなことを気にせずに優しそうな目でジュンを見た。その目につられたのか、ジュンはレックウザの前にペンダントを置いた。
「良いな。では始める。」
そう言ってレックウザは短い(とか言っちゃダメよ)腕から何か――音波か何かだろうか?――を放った。するとどうだろうか?ペンダントが白く光を放ち出したのだ‥って思ったのはつかの間、光を放ちながらだんだんと実体化していく。
凛々しいたてがみ、鋭く尖った爪‥光が消え、僕たちの目の前にいたのは‥‥
「レントラー‥‥」
ジュンはレントラーの目を見ていた。ずっと。
「お前は俺の味方なのか?それとも敵なのか?」
気のせいだろうか。どことなく怯えている感じがした。
「俺か?俺はお前の味方。ジュンだ。」
「俺はレオ‥。その言葉に偽りはないな?」
「ああ。よろしくな、相棒!」
ジュンは右手をレオの首もとに当てた。それでもレオの表情は怯えている感じがした。


ぎゃおす ( 2013/07/22(月) 14:26 )