第七章 ジュン
05
「‥で、何でブイも学校に行くことになってんのさ!」
家から駅に行く道のなかで思わず叫んだ。人通りも家も少ない道だから別に構わないでしょ。
昨日の夜。あれだけ説得した後、エリから電話があった。

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『もしもし、コウ君?明日なんだけどさ、私部活OFFだからさ、皆で作戦会議しようよ。』
「別に構わないけど‥」
『OKね!じゃあ決まり!授業終わったら二俣川のマックね。あ、ブイちゃんとオルは授業中は部室に匿っておくから。迷子になったら困るからね。』
「え、ちょ‥」
『じゃあね!また明日!!』
ブチッ

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「まったく‥。エリもエリで無用心過ぎでしょ。」
――まあ文句言ってても始まらないからさ。本当はデートのお誘いがあって嬉しいんでしょ?
ここにもう一匹面倒なのがいた。

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「ごめんごめん!遅くなっちゃった。」
約束の時間から遅れること5分。エリとオルがマックにやってきた。なんでも突然陸上部のミーティングがあったそうな。
「良いよ。僕もついさっき来たばっかりだからさ」
と言って、さっきまで読んでたマンガをしまう。昨日の夜、ブイに《鋼の錬金術師》を貸したらモロハマってしまったらしい。なんでも部室で待機しているときに3巻から25巻まで読みきったらしい。
「あ、私もハガレン好き!面白いよね。私リンが好き。『シンの者は必ず盟約を守る!』ってね。」
その言葉、どこかで‥。あ!
「ジュンも同じこと言ってたな。『だから俺も約束を絶対守る奴になる!』って。そのわりには約束守れなかったけどな。」
「約束?」
「うん。『どんなことがあっても俺たちは一緒だ』ってね‥‥。」
『‥‥‥‥‥‥‥。』
そりゃそうさ。こんなこと言われて皆言葉を失うに決まってる。
「‥ごめん。変な空気にさせちゃった。気をとりなおして作戦会議しようよ。」
無理に明るく振る舞う。そんなの見え見え。でも、皆それには触れないで話を続けた。
「ああ。しかし、手がかり無しで探すのは難しくないか?」
オルが言う。確かに、僕とジュンが別れてからジュンの話を聞いたことがない。
「うーん。誰か情報を知ってる人いないかな‥」
当てもなく、ケータイをいじくってた。その時だった。
プルルルルル‥
突然ケータイが鳴った。見ると知らない番号から。出るか出ないか迷ったが、多分おばさんがかけたんだろうと思い、電話に出た。
「はい、もしもし」
『もしもし。こちら緑警察署の者ですが。早川さんでいらっしゃいます?』
人を間違えるなんて失礼極まりない。
「いいえ、違いま‥」
ここまでいいかけてふと頭をよぎったことが。そういえば母さんの旧姓は《早川》だった。まさかとは思ったがさっきまでジュンの話をしていたからどうしても引っ掛かってしょうがない。
「はい、そうですが。」
『実はお宅の息子さん?が電車にひかれかけまして。幸いケガは全く無かったんで警察署で保護しているんですが。何を聞いてもこの番号しか答えないのでこちらにかけてみたんですが、ジュンさんとはどういった関係で?』
待った!今《ジュン》って言った!?ジュンが電車にひかれかけるっていったい何が?
「僕はジュンの兄弟です。是非ジュンに今から会わせてください!確か中山ですよね?すぐに伺います!」
乱暴に電話を切ると、まずおばさんに連絡した。おばさん曰くまだしばらく帰ってこれないそうだ。
僕たち四人は速攻で電車に乗り込んで警察署に向かった。いったいジュンに何が‥


ぎゃおす ( 2013/05/14(火) 23:43 )