01
翌朝、5:00に目を覚ました僕。そう言えば、僕が最初に目を覚ますことってそうそうないな。大抵《ダブルニードル》と《でんこうせっか》を食らって起こされる。
今日に限って目覚めパッチリなのにまだブイとピースは起きそうにない。缶コーヒーでも買いにいこうと廊下に出た。早朝の病院っていつも以上にガランとして静かだ。
さーっと缶コーヒーを買いに行ってヒロヤの病室に戻って来ると、いつの間にかそこにはアイがいた。
「アイさ‥‥(むぐ)」
「シーっ!皆を寝かせてあげて。」
アイは僕の口を塞ぎながら言う。
「ぷはぁ〜っ!苦しいですよ。」
「ふふっ。それはごめんなさいね。勤務前にヒロヤ君の様子を見に来たの。」
アイは持ってきたカバンの中から弁当箱を出す。
「朝ごはん今からですか?一体何時からお仕事なんですか?」
「そうね。6:30ぐらいには始業かしら。今日は遅い方よ。あ、食べる?あなたのことだからずっと病院でヒロヤ君のことを看病してると思って持ってきたの。」
もうひとつ弁当箱が出てきた。
「じゃあ遠慮なく。」
ブイとピースには悪いけどお先に‥
『抜け駆けはダメ!』
「ぐはぁっ!」
何でこうなんの‥‥orz
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「そうだ。お願いがあるんですが。」
「何?もうひとつ欲しいの?」
皆で朝ごはんを食べながらアイに話しかける。その言葉になぜかボケで返すアイ。ボケるなんて意外。
「いや、そうじゃなくて‥。その、今日から僕たち旅に出るんです。」
「旅に?それはまた何でだ?」
アイのウインディ――ガブが尋ねる。
「7人目の戦士を探すんだよ。」
ブイが答える。そう言えばガブと前に会ったのは、広い土地でアイとシンクロしたときだ。それ以来会ってないし、それどころかあのときもまともに会話してない。でも、こうやってわざわざ改まることなく接してくれるのは有り難い。
「で、お願いって?」
「そうそう。僕たちが旅に出ている間、ヒロヤの様子を見ていて欲しいんです。またいつ暴走するかわからないですし。」
「わかったわ。彼に関しては我々警察が十分に面倒を見るわ。
で、どこに行くとかあてはあるの?」
『‥‥‥。』
僕たちは黙ってしまった。
「やっぱり。君たちは行き当たりばったりが多いから‥とか言っても、私もどこにいるのかわからない。」
「じゃあどうすれば‥」
「うーん。レックウザ様に聞きに行くのが一番じゃないかな。」
「それっていきなりハードル高くねえか?」
『うーん。』
そりゃ悩む。
「でも、やらないよりはやった方がいいと思う。一回行ってみようよ。」
僕は提案した。
「だな!」
「賛成!」
「よし、決まりだな!っと。一人忘れてた。」
僕はドアの方を見る。そこにいたのは‥
「エリはどう?」
「私も賛成!オルも良いよね!」
「構いませんよ。」
「OK!じゃあ絶対に7人目の戦士を見つけるよ!」
『おおーーっ!』
決戦まであと360日。僕たちは動き出した。