03
僕とイーブイの体がシンクロした!
[僕のエネルギーをユウキに与えたんだ。僕達ポケモンのエネルギーは相当大きいから‥]
なるほど。ポケモンのエネルギーをニンゲンが抑えることは肉体的にできないということか。
頭にはイーブイの特徴的な耳、お尻にはしっぽ。でも、ニンゲンの面影が残る不思議な姿だ。
「そいじゃ一丁やってやろう!」
[そうこなくっちゃ!]
大きな深呼吸を1つ。
『《でんこうせっか》!』
僕とイーブイは《でんこうせっか》で次々と相手を倒していく。残すは親玉。
「おのれ‥我らの森を荒らす奴は許さねえぞ!」
エネルギーを貯めながらこう言う。
[《きあいだめ》か。気をつけて。奴は今急所に当たりやすくなっているからね。]
イーブイが注意をするが早いか、
「喰らえ!《かわらわり》!」
スピアーが叫ぶ。
『???』
[それはわざマシンの技‥お前、ひょっとして‥]
「どうしたの?」
[ユウキ前!]
しまった!かわし損ねた!僕は《かわらわり》を真っ向から喰らってしまった。
かくとうタイプの技は、ノーマルタイプのイーブイにとっ
は大きなダメージになる。
[奴はきっとトレーナーに捨てられたポケモン。
ユウキを襲ったのはきっとニンゲンに恨みがあるから‥]
体勢を立て直しながら、イーブイは言う。
「ニンゲンめ‥喰らえ!」
まただ!
ギリギリのところで避けて、《でんこうせっか》をくり出す。
「グハッ!」
うまくクリーンヒットしたようだ。スピアーは地面に叩きつけられる。瀕死になるまでは倒れるまでは時間の問題だろう。
僕たちは元の姿に戻った。これ以上やったら、スピアーが本当に死んじゃいそうで。
「オイ、そこのイーブイ!お前はニンゲンを信用できるのか?嘘つきで俺たちポケモンを具としか扱わない奴らに」
「僕はユウキを信用する。これから戦っていくのに、ユウキは最高のパートナーだよ。
君が今までトレーナーにどんな風にされてきたかは正直分かんないけど、ユウキはそんなことはしない。何となくそう思う。」
なんかすごーくハードルが上がった感があるが‥
それはおいといて、
「君、僕と一緒に行かないか?」
僕は尋ねる。
「‥‥え?」
「いや、傲慢な言い方だけど、君のニンゲンにに対する考え方を改めて欲しいと言うか、何て言うかその‥」
うまく言えない。でも、彼と一緒に行きたい。
そんなことを伝えたかった。
「‥ふふふっ。ははははははっ!」
「なんだよいきなり」
「いや、悪い悪い。お前、面白い奴だよな。」
「‥?」
「お前についていく!ついていくからにはお前を強くする!よろしく頼むぜ、『相棒』!」
‥‥‥‥‥‥!
「ああ。こっちこそよろしくね!」
「ユウキ、スピアー、僕も!」
「おう、よろしくな!」
とりあえず、一件落着!
ただ、この世界について僕は全然知らない。
僕は何故ここにいるのか。
何故イーブイは僕のことを『ユウキ』と呼ぶのか。
何故夢に出てきたのか。
そう言えば、ポケモンの言葉が僕にはわかる。何で?
他にも色々あるけど、疲れたからまたあとで。