第一部
南国からのメモ 〜parasite〜

『なぞに つつまれた UBの いっしゅ。まちゆく ひとが きせいされ あばれだす すがたが もくげきされた。』

『UBの いっしゅ。 いしが あるかは ふめいだが ときおり しょうじょの ような しぐさを みせる。』







我々、エーテル財団極秘研究チームは、代表の指示を受け『コスモッグ』によるウルトラホールの解放実験と同時に、前回このエーテルパラダイス二階の保護区に出現したウルトラビースト『parasite』についての研究も行っている。
今回、その記録をこの書類に記録し、研究終了次第にそれ以外の物を焼却処分することに決定した。





我々は現在、先程記したように『parasite』というウルトラビーストについて研究している。
今までこのアローラでは、極たまにウルトラホールが上空に出現しその中から、『parasite』はもちろんの事、その他の種族が現れて、手当り次第にそれが出現した付近を荒らしてしたと言われている。時には、四つの島にいる守り神__________カプ達とも争っていたと、昔の文献で記されている程である。
代表曰く、『彼らは見知らぬ場所に移されて戸惑っているように見えた』と仰っている。


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次に、『parasite』自体についてな記録を記す。
そのウルトラビーストは、体長約1.2メートルと予想されており、その姿は泡頭様な上半身に、先の丸まった12本の触手を持った白いクラゲのようなもので、職員の中には会長の娘にも似ていると言う者もいる。
そして、『parasite』はその名の通り他の生物に『寄生』するという一番の特徴がある。ただ、寄生と言えば取り憑いた相手を思うがままに操るイメージを持っている者も多いと思うが、このビーストの場合は少し違う。
『Parasite』は取り憑いた相手に神経毒を流し込む。その毒は、流された相手の精神やその力を100%引き出させ、ビーストを守らせる。

……………それだけ聞いたならば、「取り憑かれれば……………」と思うかもしれないが、甘い。その毒には、対象の力を引き出させると同時に、「精神の奥底まで強制的に引き出させる」という作用もある。
つまり、今まで自身の中に潜んでいた劣情や衝動をありのままにぶちまける『獣(ビースト)』へと変貌するという事だ。
これまでの記録で、取り憑かれた者達は、目はあらぬ方向を向き、そこら中で暴れ回ったと記されている。
私はこうなってまで強くなりたくは無い、と断言しておく。


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強いといえば、今までの話を聞いていると『parasite』自身の戦闘能力はそこまで脅威では無いと思っても仕方がない。
実際に我々もそう思っていた。だが、我々もまだまだ甘かった事がパラダイスにビーストが出現した時の一部始終から分かる。
そのビーストは、支部長が招いた二人のトレーナーと会長が会話している時に出現した。一人のトレーナーがビーストと戦闘していた時の様子を見た時に、戦慄したのを今でも覚えている。ビーストは今までの記録で、『パワージェム』、『アシッドボム』、そして『ヘドロウェーブ』などの岩、毒タイプの技を多用してくるが、それに加えゆったりとしている見た目に反して、『リザードン』や『ガブリアス』等の移動速度の高いポケモンに匹敵するスピードを持ち、『サイコキネシス』などの特殊技に対する高い耐久力を誇っている……………等の寄生して身を守らせる生物とは思えないほどの能力の高さが、その戦闘から伺えた。
攻撃をユラユラとまるでその場をさまようかの様に躱し、攻める時にはそのスピードによる特殊技の弾幕を張ってくる___________
これ程相手にしたくないものは滅多にいないだろうと思う。一応、『parasite』にも弱点はある。
高い特殊耐久を誇る一方、物理耐久の方は極端に低い事が分かった。
もし、そのビーストのタイプが使ってきた技と同じように、岩と毒ならば、『じしん』や『アクアジェット』を使えば有利に立ち回れるだろう。
だが、それでもそれなりに経験を積んだトレーナーというポケモンでなければ一人で撃退するのは難しいだろう。
そもそも、パラダイスの時は一体だけだったが、分権には数十体同時に出現した事例も確認されている。
無理に戦わずにその場を離れた方が無難だろう。




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これが、我々が残す最後の記録だろう。
代表が『コスモッグ』を使い、呼び出した『parasite』を、他の研究チームが開発した新型ボールを使用、捕獲に成功した。
そして、『parasite』が出現したウルトラホールの中に、この地方の不良集団の親玉と共に姿を消した。それから五分も経たないうちに、何処からか悲鳴が聞こえてきた。そして、この人工の楽園からも悲鳴が聞こえてくるまでに一分とかからなかった。

そして………我々のいる部屋にもビーストの大軍が入り込もうとしていた。
もう、この部屋も長くは持たないだろう。

最後に、もはや本当の『ビースト』になってしまった代表を、誰かが止める事を祈り、最後の記録とする…………………………………
















『 じ ぇ る る っ ぷ 』

































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カントー地方 某 沿岸付近



海は風に煽られて、大きく波打っている所に、命知らずのサーファー達が、我こそは、と言わんばかりに何人か群がっている。
そして、白い………………とまでは行かずともそこそこ環境の整っている砂浜に、一人の少女が歩いている。
そして、その向かう先には___________________『ボロボロになった一冊のメモ』が落ちている。少女はそれに気づき、拾い上げると………………………














「このメモは何でしょう……………………?」















織田秀吉 ( 2017/08/03(木) 21:14 )