第一部
今と昔と環境と








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『つきからの エックスせんを あびた ヘドロが へんかし たんじょう。 からだの ばいきんが へると しぬ。』



『ゴミもんだいを かいけつ するため よそから もちこんだ _____が いつのまにか このすがたに なった。』



『けっしょうは どくその かたまり。_____の からだから おちると しにいたる どくそが もれだすぞ。』



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皆さんは、この説明が何か分かりますか?

これは、ヘドロポケモン『ベトベター』の 図鑑説明の一部です。

この説明の内、二文は温暖で複数の島々からなる地方……………アローラの自然環境に適応した姿についてのものです。


まずは、一文目を見てください。


ベトベターは当時発展途上にあった都市にあった工場から廃棄され海底に流れ込んだ………


燃え殻、


汚泥、


廃油………………………………………………………などの『産業廃棄物』が月からのX線を浴びたものが変化し、生命を宿したポケモンです。
本来ならば人格(?)を持ち、動くはずのないものにそれが宿り、生命活動を始めるという事例は、当時では珍しいことでしたが最近ではそうでも無くなってきました。
その一例を挙げるなら、捨てられたぬいぐるみから生まれた『ジュペッタ』、ナノ粒子が集まって作られた『メテノ』、そして人から作られた生きるプログラム『ポリゴン』など………………………………

と言った具合に今となってはそういうポケモンが増えてきています。


さて、ここで本題に入っていきましょう。

先ほどの説明で、ベトベターは産業廃棄物から生まれたポケモンです。そしてそれは、想像通りゴミを生きる糧にしています。


二文目の説明にあるようにベトベター達はアローラにゴミ問題を解決するために連れてこられました。



そう、ゴ ミ 問 題 を解決するために



今となっては、各地方からバカンスしに来るほどの人気スポットであるアローラ………

そこも、他の地方と比べればつい最近発展した新参者と言えます。森を開拓し、施設を建てて…………………

そうすると、必ず出てしまうものが先程から出てきている廃棄物です。

昔はそれが原因で、アローラの土地が枯れ果てかけた事もありました。

そこにベトベター達を連れてきたということは、そうしなければならないほどに酷い惨状だった事が伺えるでしょう。

その名残は、ウラウラ島のマリエシティにあるゴミ処理センターという形で今もそこにあります。

当時の計画では、比較的距離の近いイッシュ地方にゴミを運び、処理するというあまりに非合理的な策が出されたこともありましたが、結局はカントーやジョウトからベトベター達を輸入してきました。

その費用は馬鹿にならないものでしたが、何度もイッシュに行き来してゴミを運ぶよりもベトベターを連れてきた方が、ゴミが主食なのでわざわざ餌を用意する必要もなく、たった一度の移動費用だけで事足りるので長期的に見れば後者の方がメリットが大きかったのです。

しかし、ここで大きな誤算がありました。



三文目の説明を見てください。


アローラには、大昔から様々なポケモンが連れてこられました。コラッタやロコン、カラカラなどの種族は長い間、生まれた土地とまるっきり違う環境で生きていく中で、姿を変えタイプすらも変えてそれに適応できるようになりました。

今の言葉で言うならば、

『リージョンフォーム』です。



それはベトベター達にも例外なく、色は暗い紫から毒々しい緑や黄色、ピンクに変わり、タイプも毒単体から悪タイプが追加されました。

そして、何よりの変化が辺りに漂っていた悪臭が消え、無かったはずの牙や爪が現れました。これは、体内に溜まっていた毒素が固まったものです。説明にもあるように、それが落ちればたちまち死に至る程の猛毒が辺りを覆います。

その原因を、当時の研究者達はアローラのゴミの成分がベトベター達の体に突然変異を引き起こさせたと推測していますが、実際の所はまだその真偽は明らかになっていません。

このことを知ったウラウラの島キング達はは、ベトベター達を隔離するべきだと主張しましたが、時すでに遅し。

連れてこられてから数ヶ月、ベトベター達は繁殖し、ウラウラ島全域に広がっていました。









それから暫くして、ベトベター達は、ウラウラのマリエシティに出来たゴミ処理センター付近に集結し、そこでゴミを食べているところが時々見られるだけになりました。

もちろん、全部がそうした訳でなく、メレメレのハウオリシティなどにも少数生息しています。

そして、今アローラの人々はこれまで以上に、自然を敬い、ポケモン達と力を合わせその土地を発展しているそうです。













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今は綺麗なところでも、その状態は数々の苦労があって初めて成り立っているものだということを忘れないようにしていきたいものです……………………………


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名も無き研究者より


織田秀吉 ( 2017/07/31(月) 13:42 )