創造と破壊の哀歌
「ゼ、ゼルネアス…」
「イベルタルが、破壊の…ポケモンな、の?」
ワタシは彼の顔を見ることができない。きっと目が真っ赤になっているから。
「ゴメン…ゼルネアス…」
「…!!」
ゴメン。そんな言葉を聞きたいんじゃないはず。
「ちがう…ちが、うよ…」
もうムリだ。
「ぅ…ゼル、ネアス…」
破壊を、止めないと…!
―――――
ゼルネアス…ゴメン…
「オレ、は…!」
破壊しか、出来なかったよ。
.。*゚ .*.。 ゚ ..。*゚
その瞬間、ある場所を中心に爆発が起きた。
後の話によると、そこには大木に寄りかかる黒いポケモンが居たという。
そして、そのポケモンは…泣いていたという。
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「ねぇ…ゼルネアス、見てよ」
あの日から、何十年もたった。
「ゼルネアスの好きな花…ホラ、オレ頑張って…」
オレの目の前には、一輪の勿忘草。
「咲かせた…ねぇ。だから…ゼルネアス」
また、あの笑顔を見せてよ。
その日、イベルタルは大きな繭となった。
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それからすぐ後。ゼルネアスが目覚めた。
「ん…イベルタル?」
足元には、ワタシの大好きな。
「勿忘草…イベルタル、何やってるの?」
目の前の繭を睨みつけて。
「アナタがこんな事したら…ダメでしょ…っ!」
安心して壊してよ。
「ワタシが、何度でも全部治すから…」
また、ワタシの前で…笑って?