夜 〜フィーアの場合〜
フィーアが仲間となり、ギルドでちゃんと登録してもらったその夜。シーア達はフィーアを部屋へ案内した。
「へぇ〜…案外広いな〜」
「だろ?ここで三人ってのも寂しいよな」
「まぁ…いつかはこのベッドの人数分仲間にするつもりだよ?」
その言葉を聞いたフィーアは、驚くこと無くこう言った。
「ふ〜ん...案外シーアならやってのけそうだよね」
その言葉を聞いたシーアはとても喜んだ。
「ホントに!?ありがとう!」
その後、フィーアは水晶に触れた。彼女の波動の色、それは目の覚める様に明るい黄色だった。
「ふぅ...まさかこんな所で...また会えるなんて」
フィーアはシーア達と話をした後、少し外をぶらついていた。海岸に着いた彼女は、そうポツリと呟いた。そして何かを取りだし、何やら話し始めた。
「もしもし...うん、ワタシ。あのね...そうなの。会えたの。いつか、唄姉もこっちに来てよ?そしたら、また皆で...」
そこまで言ったところで、フィーアはいきなり話をやめた。何故なのか、それは、一つの声で分かった。
「フィーア?何してるんだ?」
ライガがフィーアの話を聞いていたのだ。何も言えないフィーアに、ライガは続けた。
「会えたって誰の事だ?」
暫く黙っていたフィーアだったが、いきなり叫んだ。
「うるさいっ!アンタは黙っててよ!アンタはシー姉を守れない!シー姉は、ワタシが守るの!」
そう言ったフィーアの目には、涙が浮かんでいた。