トレジャータウン
sideシーア
「シーア、ライガ。ちょっと来てくれ」
オラシオンがゴルと喋っていると、アランが声を掛けてきた。
「おっ、アランっち!おはようっス!」
「ゴル。その呼び方やめろ」
「でも俺が認めた相手っスから…」
「…ちょうどいいからゴルも来い」
「何をするの?」
「トレジャータウンの案内だ」
トレジャータウン?なんだか楽しそうな名前の町だなぁ。
「楽しみだなっ!シーア!」
「うん!」
四人はトレジャータウンにつくと中央の広場へと向かった。
「さてと、じゃ、タウンの説明だ」
「あっ!俺、分かるッス!言わせて欲しいッス!」
ゴルはちぎれんばかりに手を挙げる。
「・・・後で後悔するなよ?やってみろ」
「オッケーッス!まずは俺達が来た方向にある建物、あれは銀行ッス!ヨマワルのヨアさんがしっかりとポケを管理してくれるッス!あとのこっち側のお店はまだ開いて無いっぽいッスね」
するとゴルは、川の向こう側を指して、
「向こうの手前のお店、あれがカクレオンのカクとレクの商店ッス!なんでも売ってる便利なお店ッス!そんで、その奥はガルーラのルネおばちゃんの倉庫ッス!皆の探検隊ランクによって入る量が変わるッスけど、ずっと保管していてくれるッス!・・・今のトコはこんな感じッスかね」
一通り説明を終え、すっきりした表情のゴルに後ろから迫る影があった。その正体は、
「ゴル?こんな所で何仕事サボってんだ?( ^言^)」
ペリルだった。
「えー?い、いやぁ、俺はアランっちに…」
「言い訳無用だ。ちょっとこっちこい」
そう言ってペリルはゴルを引きずってギルドへ帰った。ゴルの断末魔の叫びが聞こえたことは全員無視した。
「…よし。ここで準備ができ次第ギルドの地下2階に来てくれ。君はあの駄犬と音符鶏をなんとかしてくる」
アランがギルドの方へ行ったのを見ると、ライガが口を開いた。
「なぁシーア。どっか行きたい所あるか?無いならカク達の店に行きたいんだ」
「そうなの?別に行きたい所は無いし、いいよ」
「よし!じゃあ行こうぜ!」
二人がカクとレクの商店に来ると、ハキハキした声が聞こえた。
「こんにちは!オラシオンですね!」
「フウさんから話は聞いてますよ!これからよろしくお願いしますね〜!」
「ワタクシ、緑の方、カクと申します〜」
「ワタクシ、紫の方、レクと申します〜」
「「何かお探しでしょうか?」」
カクレクの不思議な威圧感に怯むライガとシーア。
「お、おう。ええっと、なんだ…アレ…」
「カクレクさ〜ん!」
ライガが口ごもっていると、向こうからルリリとマリルが走ってきた。
「あっ!リルちゃん!マル君!」
「今日は何の用事?」
「リンゴを買いに来たんです」
「リンゴだね。ハイ、落とさないようにね」
「「あっ、ありがとうございます!」」
マルとリルは帰っていった。が、すぐに踵を返し、
「カクさん!」
「なんだい?」
「リンゴが一つ多いです!」
「僕達こんなに買ってません!」
「あぁ、それはサービスだよ。二人で仲良く分けてね」
「ありがとうございます」
そう言って、二人は元きた道を歩いて行った。
「可愛いなぁ」
「ふぇっ!?」
「リルちゃんと、マル君…だっけ?」
なんだ…そっちか…でも、確かに可愛かったな…
「おっ?ライガさんロリ○ン発言ですか?」
「彼女の前でそんな…大胆ですねぇ〜」
そんなカクとレクの冷やかしに、シーアとライガの顔がみるみる赤くなっていく。
「なっ…ちっ…」
「そそそそんな…えっ…」
「「違うから!!絶対違うから!!」」
またも二人同時発言。
「…え、えっと…リンゴ…一つ///」
「私は…若草グミ一つ/////////」
「は〜い。毎度あり!」
「ありがとうございました〜」
カクレクに見送られ、二人は一言も喋らずに歩いて行った。