とある夢
不意にシーアは目覚めた。だが、周りはギルドの部屋ではなく、空は黒く、陸地は荒廃し、草についた露も落ちること無くただそこで止まっている空間だった。
夢…?どこだろ?ここ……あれ?ライガがいない?
「ライガーっ!いたら返事してーっ!」
しかし、何度呼びかけてもライガは現れない。代わりに目に入ったのは、走っている3匹のポケモンと3人の少女。その後ろには大きめのポケモンと小さい6匹のポケモン。
あっ…誰かいる…ここは何処なのか聞かないと…
シーアは走り出そうとした。が、
「えっ…!?何で…?体が、動かない……?」
すると、後ろに大きな影ができ、シーアを飲み込んでいった。
「やだ…何?やめて…」
影から逃れようとするほど、飲み込まれる。遂にシーアは意識を失った。
「…………!!」
シーアは起き上がり、あたりを見回す。そこは先程と何も変わらない、ギルドの部屋。
なんだったんだろう…夢?にしては随分リアルだったけど…
そう考え込むシーアの脳裏には、前を走っていたポケモンの内の一匹、ジュプトルの姿が色濃く残っていた。