スピン
ドボン
夜。広い砂漠の真ん中の、小さなオアシスに、高々と水しぶきが上がります。水ポケモンがすんでいるのでしょうか?それとも、喉の渇きが限界に達した人間が、水を見つけた嬉しさに思わず飛び込んだのでしょうか?
残念ながら、どちらも違います。こんな砂漠のど真ん中の、いつ干上がるかもわからない場所に、水ポケモンが生息するのはまずありえませんし、人間なら飛び込む前に水を飲もうとするはずです。それに、昼とは打って変わって底冷えする夜の砂漠で、わざわざ凍え死ぬような真似をしようとする人間は、まずいません。よほど狂った人間ならどうか分かりませんが。
ザッパーン
再び水しぶきが上がります。今度は、誰の仕業かがよく分かります。水の中から飛び出したのは、レンガのような模様のある、土色の球体でした。ものすごい速さで回転しながら体に付いた水滴を撒き散らして、オアシスの外の陸地に落ちて二、三度弾みます。水滴は地面に辿り着く前に干上がって、その球体の表面が泥だらけになることはありませんでした。
土色の球体がもぞもぞと動いて、また飛び上がったかと思えば、球体の中から小さな手足と尾、三角形の耳が飛び出して、くりくりとした大きな黒い目が覗いています。
ねずみポケモン、サンド。砂地によく現れるポケモンです。先ほどの水しぶきは、彼が水の中に飛び込んだときと、水中から飛び出してきたときに上がったものでした。地面タイプのサンドは本来、水は苦手なはずなのに、どうしてこんなことをしていたのでしょう?
答えは簡単でした。彼は、苦手な水をどうにか克服しようとしていたのです。
ポケモンの世界では、タイプの相性によってケンカや縄張り争い勝負がついてしまうことが少なくありません。そのことを知ってか知らずか、このサンドは自らの弱点を克服するために日々頑張っていたのです。がんばりやの彼にスピンと名付けて、彼の日常を追ってみましょう。
熱い昼間の間は、スピンは滅多に地上に姿を現しません。土の中に潜って、すやすやと眠っています。外は暑くても、土の中は丁度いい温度になっているので、スピンに限らず砂漠のポケモンの多くは、暑い昼間を土の下で眠って過ごします。砂漠は日が照り付ける昼間こそ熱いですが、夜はその熱が一気に逃げて、寒いくらいに気温が下がります。スピンが活動し始めるのも、日が傾き始め、気温が下がってきた頃なのです。
サンドは地面タイプ。弱点となるタイプは、初めに紹介した水に加え、草、氷の三つです。弱点ではありませんが、得意の地面タイプの技が当たらない飛行タイプも、彼にとっては戦いにくい相手です。スピンはこの苦手を、どうやって克服しているのでしょうか。
まずは水。これは最初に言ってしまいましたね。スピンは体を球のように丸め、回転しながら勢いよくオアシスの中に飛び込みます。しばらく水中で耐えた後、丸まったまま思いきりジャンプして、水から飛び出ます。空中にいる間に、体に付いた水滴を跳ね飛ばしてしまいます。
サンドの体の表面は、ちょっとした水分でも体内に吸収できるようになっています。つまり、余分に水を吸収すると、自慢の硬い皮膚がふやけて防御力が下がってしまうのです。乾かない場合を想定して、スピンはいつも全力で回ります。できる限りの水を跳ね飛ばして、地面に降り立った時に、土の上を思い切り転がって、余分な水分を地面に吸収してもらいます。
スピンはこの訓練を、夕方から夜にかけて、時間を空けて何度か行っています。連続して行わないのは、次に説明する氷タイプへの対策のためと、無茶をし過ぎて命を落とさないためです。弱点を克服するための訓練は、相手がばらばらのように見えて繋がっているのです。それに、せっかくの弱点を克服するための訓練でも、その途中で死んでしまっては元も子もありません。そのあたりのことを、スピンはちゃんと分かっているようでした。
次に、氷タイプへの対策を見てみましょう。熱い砂漠で、氷ポケモンに襲われることがあるのかと疑問に思う人もいるかもしれません。でも、この砂漠でスピンが本当に戦わなければならないのは、氷ポケモンではなく寒さなのです。
夕方から夜にかけて、砂漠の気温は急激に下がります。水に飛び込んだ時に跳ね飛ばしきれなかった水分は、この時に凍ってしまいます。サンドにとってはつらいことのはずなのですが、スピンは体を小刻みに震わせながらじっと耐えるのです。しばらく耐えた後、今度は体を丸くして、地面を思い切り転がります。体の表面に張った氷を砕き、同時に体を温めるためです。十分に温まったら、また水の中に飛び込んで、水への対策を始めるのです。
こんな訓練をしなくても、夜になると、サンドの皮膚には水滴が付きます。そのまま放っておけば、水滴が凍って凍え死んでしまいます。だからこそ、思い切り動き回って水滴を跳ね飛ばすのです。それを、スピンは水対策と並行して行うので、上に書いたようなことをやっているのです。
次に、草への対策。砂漠にも、草タイプのポケモンは存在します。サボテンポケモンのサボネアや、カカシぐさポケモンのノクタスなどです。また、砂漠を通りかかる旅人がよく草タイプのポケモンを使ってくるので、戦えるようになっておかなくてはなりません。
とはいえ、さすがのスピンも、技を受ける対策だけでは勝てません。“はっぱカッター”や“タネマシンガン”などの物理技なら、固い皮膚がある程度守ってくれます。しかし、“すいとる”や“エナジーボール”などの特殊技は、固いだけでは防げないのです。そんな技を放ってくる相手に、どう戦うのか。
結果から言えば、特別なことをするわけではないのです。
まだまだ子供なので小さいですが、スピンには鋭い爪があります。この爪を使って、草ポケモンの苦手な“つばめがえし”や“シザークロス”を放ちます。こうした技の練習を、オアシスに生えている木を的にして行います。背が高くて太い木の根元には、スピンの爪痕がたくさん残っているのです。
腕は短いので、相手の間合いに入らなければこれらの技は当たりません。上手く近付くことができても、間合いに入っている間に、技を撃ち込まれて倒されてしまうかもしれません。でも、ここが砂漠だからこそスピンの特性が生きてくるのです。
スピンの体の色は土色。砂嵐に紛れてしまえば、どこにいるのかなかなか見つかりません。それに、他のポケモンが足を取られてしまう砂の上でも、スピンは素早く動くことができるのです。戦う時は素早い動きで相手を攪乱して、背後に回り込んで攻撃します。敵わないと思ったら、砂嵐の中に身を隠しつつ、穴を掘って逃げます。地面が柔らかい砂なので、“じしん”や“マグニチュード”などの地面を揺らす技の効果も薄くなるのです。
最後に、飛行タイプの対策……なのですが、丁度スピンを狙ってくる飛行ポケモンが現れたようなので、戦いの様子を覗いてみましょう。
*
珍しく昼間の砂漠にひょっこりと顔を出したスピンを、高い所から見下ろす影がありました。ほねわしポケモンのバルジーナです。周りをくるくる回る影に気付いて、スピンが顔を上げました。ちょうど目が合います。
スピンは慌てて穴の中に潜りました。逃がしてたまるものかと、バルジーナは猛スピードで急降下します。穴に潜っては捕まえることができないので、バルジーナは穴の上を通り越して、もう一度空高く飛び上がりました。
別の場所から、スピンがまた顔を出します。それに気付いたバルジーナは、もう一度狙いを定めて滑空します。スピンは、今度はギリギリのところで穴に潜って、迫るバルジーナの爪を躱します。まるでもぐらたたきをしているかのように、スピンは顔を出したり引っ込めたりしてバルジーナを翻弄します。
なかなか獲物を捕まえることのできないバルジーナは次第に苛立ってきます。滑空して捕まえるのを諦め、スピンが顔を出しても捕まえに行かなくなりました。代わりに、羽を大きく振りかぶって、“エアスラッシュ”を放ちます。
流石のスピンも、遠距離攻撃には対抗できません。顔を地上に出すのをやめ、そそくさと地中に引き返します。
チャンスとばかりに、バルジーナはゆっくりと下降していきました。今度は少し近い位置から“エアスラッシュ”で地面を抉ります。スピンは出てきませんが、スピンが掘った穴は少しずつ埋まっていきます。最初にスピンが顔を出した穴を一つ残して、穴だらけだった地面が、単なる砂場と化してしまいました。
崩れていく足場を見て、バルジーナはにやりと笑いました。これで、スピンも出て来ざるを得ないでしょう。バルジーナはわざと残しておいた穴の方へ音もなく飛んでいこうとして――――
穴から何かが飛び出して、バルジーナにぶつかりました。ギャッと鳴き声を上げて、バルジーナはその場に倒れてしまいました。
穴から飛び出したのはスピンでした。丸くなって穴の中で転がり、勢いよくバルジーナに体当たりしたのです。ポケモンの世界では、“ころがる”と呼ばれる技でした。カラカラに乾いたスピンの体はとても硬いので、サッカーボール大の岩がぶつかったのと同じくらいの威力になるのです。
スピンは“つばめがえし”や“シザークロス”の練習の合間に、“ころがる”練習も行っていました。練習台の木の高い所になっている木の実めがけて、転がった勢いでぶつかりに行くのです。高い所に狙いをつけられるようになれば、空を飛ぶ鳥ポケモンも撃ち落とすことができます。どうしても戦わなければならないときに備えて、スピンは空中の敵への対策も怠ってはいませんでした。
思いもよらぬ反撃に遭い、バルジーナは悲鳴を上げて飛び去ってしまいました。バルジーナの背中を見送りながらも、スピンは周りを見回して、他に外敵がいないか確かめます。安全が確認できたところでフゥと一つ溜息をついて、スピンはまた地中に潜っていきました。本当の活動時間、夜まで、眠りにつくために……
*
ある日の昼下がりのこと。どこからか漂ってくるいい匂いに、スピンは目を覚ましました。匂いを辿って穴を進めば、それは出口の方からくる匂いのようです。
穴のところまで出てくると、スピンはおや、と首をかしげました。普段ならさんさんと照り付ける太陽が、穴の外から差し込んでくる時間です。それなのに、穴は何かに覆われているかのように、光が遮られています。おかしいなと思ったスピンですが、おいしそうな匂いの誘惑に負けてしまいました。穴を塞ぐ何かを押し開けて、スピンは匂いの正体を探ります。
穴から這い出すと、不思議な光が照らす、直方体の箱の中でした。そして、すぐ目の前には見たこともない木の実が置いてありました。緑と薄桃色のぎざぎざ模様が特徴的な、とても大きな木の実です。スピンは木の実の匂いをすんすんと嗅ぎます。幸い、毒は塗られていないようです。
スピンはこらえきれなくなって、木の実にかぶりつきました。とてもやわらかくて、とても甘い木の実でした。果肉は真っ赤で、口の中に入れるとジュワッと果汁が口いっぱいに広がり、口の中で溶けていきます。普段は苦手な水でも、木の実の汁は大好物でした。
お腹が膨れたところで穴に戻ろうとしたスピンは、地中に戻れる穴なんてないことに気付きました。入ってきたはずの場所には開きそうな線があるのですが、スピンが何度ひっかいても、開きそうもありません。
スピンはまだ気づいてはいませんでしたが、これは人間の仕掛けた罠だったのです。
狭い箱の中でもスピンはどうにかこうにか外に出ようと暴れました。壁にぶつかっても、壁はびくともしません。飛び上がって、天井に体当たりをしても、うんともすんともいいません。暴れても無駄だと分かって、スピンはおとなしく、誰かが出してくれるのを待って眠ることにしました。
どれくらい時間がたったでしょう。スピンの入った箱が、誰かに持ち上げられました。スピンはびっくりして目を覚まし、箱の中でバタバタと暴れます。
「何か掛かったな」
箱の外で声がしました。人間の声です。スピンは震え上がりました。
スピンは人間が苦手でした。人間と聞いてスピンの中に浮かぶイメージは、“ポケモンに指示するだけ指示をしておいて、自分は何もしない生き物”というものでした。ポケモンが傷ついても無茶な指示を出したり、負けたポケモンをしかりつけて逃がしたり。スピンが出会ってきたのは皆、そんな人間だったからです。
箱がひっくり返され、床だった場所がパカッと開きました。それまで暗い所にいたスピンの視界が、外の光で一瞬真っ赤に染まります。目が慣れてきた頃に見えたのは、夕焼けに染まる空の中に佇む、もじゃもじゃの口ひげを生やした、温厚そうな男でした。くたびれたテンガロンガットを被り、くたびれたシャツを着、くたびれたジーンズを穿き、背中にくたびれた大きなカバンを背負った、見るからに旅慣れしていそうな男でした。しゃがんでいるのでよく分かりませんが、立ち上がったらスピンの三倍の背がありそうな大きな男は、箱の中からスピンを両手で持ちだして、にこりと笑いました。それは悪意のない、純粋な笑みでした。
「心配すんな。取って食ったりしねぇよ」
男の手の中でカタカタと震える男はしわがれた声で言いました。どこか温かみのある声でした。しかし、スピンの体の震えは止まりません。すると、男は何を思ったか、スピンを足元に置いて、鞄から何かを取り出しました。スピンがさっき齧ったのと同じ木の実でした。それでも、スピンは動こうとしません。人間が仕掛けたものだと分かって入れば、箱の中の木の実も食べなかった事でしょう。
「毒も薬も入っちゃいない。好きに食っていいんだぜ」
男は優しい声で言って、スピンの頭を大きな手で撫でました。
男の手の暖かさに、スピンは何故だか、この男には心を許してもいいと思いました。それまでスピンが思っていた人間とは、随分違って見えたのです。
男が差し出す木の実を、スピンは小さな手で受け取って齧りました。おかしな匂いはありません。おいしそうに木の実を齧るスピンを、男はしゃがんだまま見つめていました。
スピンが木の実を食べ終わる頃、男が急に立ち上がって、
「穴を掘れ」
と言うのです。スピンは少しだけがっかりしました。この人間も結局は、ポケモンに指示するだけの人間だったのかと。しかし、そうではありませんでした。
男が視線を向けた先から、何かが近付いてきます。濛々と砂煙を上げながら近づいてくるそれは、砂漠を走るための自動車でした。
「俺の連れだ。罠にはまったお前を捕まえに来たんだ。さあ、早く」
男は背を向けたまま自動車に手を振りながら、厳しい声で言います。スピンは固まって動きません。
男はスピンがまだそこにいることに気付いていたのでしょう。突然、両手をバチンと叩きます。
まるで石化の魔法が解けたかのように、スピンは驚いて飛び上がり、急いで穴を掘って隠れました。
「どこか遠くまで穴を掘っていくんだ。連れは鼻の効くポケモンを持っていやがる。穴は塞いでおくからな」
最後に男の声が聞こえて、スピンが掘った穴の入り口から砂がなだれ込みました。
スピンはと言うと、少し離れた場所で土を深く掘って、そこから男の足元辺りまで掘り進めました。分厚い土の上からでも、男の声が少しだけ聞こえます。
「何か掛かったのか?」
スピンが耳をそばだてて聞いていると、先ほどの男よりももう少し若い感じの男の声が聞こえます。
「んや、空っぽだったよ」
これは、髭の男の声です。
「そうか……ここも駄目だったか」
最初の声が聞こえました。何だか疑わしげな声でした。
「それは本当なのか?」
「俺が信用できないってのか」
話を聞いているだけで、ピリピリとした雰囲気が感じられます。髭の男の連れが、鼻の効くポケモンでも出そうとしているのでしょうか。
結果から言えば、若者はそのポケモンをボールから出しませんでした。髭の男が無言の圧力で押し切ったのですが、そのことをスピンは知りません。
「まぁ、いい。さっさと次行くぞ。こんな所にずっといたら、俺たちが干からびちまう」
若い男の声がして、ザクザクと砂の上を歩く足音が遠ざかっていきました。
しばらく待っていると、自動車のエンジンの音がして、それもまたどこかへ行ってしまいました。
スピンは少し離れた場所まで地下を掘り進んで、そこから地上を目指します。
ひょっこりと顔を出すと、辺りはもう暗くなりかけていました。髭の男も、男の連れらしき人間も、自動車も、そして、あの男が持っていた箱も、どこにも見当たりませんでした。
耳をピクピク動かして、周りの音を聞きます。風の音以外は、特におかしな音はしません。スピンは安心して、自らの住処を目指して砂の上を走り始めました。
人間にも、いい奴と悪い奴がいる。苦手な人間に、少しだけ興味が湧いた出来事でした。
*
しばらく走っているうちに、辺りはすっかり暗くなっていました。早くオアシスに戻って、日課の弱点克服トレーニングをしなけばなりません。やめてしまうのは簡単ですが、そうすれば自分の体が錆びついていくことを、スピンはよく分かっていました。
だからこそ、どこかで別のサンドの悲鳴が聞こえた時も、様子を見に行こうかどうしようか、少しだけ迷いました。
自分のためのトレーニングとはいえ、同族を見捨ててまで行おうとは、スピンは思いませんでした。さっと向きを変え、悲鳴の聞こえた方へ向かって走ります。
悲鳴を上げているのは、一匹のメスのサンドでした。周りを、天敵のサボネアが十匹ほど取り囲んでいます。おそらく、真ん中にいるサンドがサボネアの縄張りにでも入ってしまったのでしょう。幸い、囲まれたメスのサンドもサボネアも、スピンには気が付いていないようでした。
サボネアたちは、手に付いた針をメスのサンドに向かって飛ばしながら、じりじりとその距離を詰めていきます。メスのサンドは穴を掘って逃げようとしますが、潜ろうとするたびに体を緑の針が掠めて、なかなか砂の中に潜ることができません。
さすがのスピンも、相性の悪い相手を十匹も相手にすれば、無事ではすみません。一匹ずつ相手をするにも、その間にメスのサンドが襲われてしまうかもしれません。
そこで、スピンは音も立てずに地面に潜りました。メスのサンドの周りを囲むように、地中を外へ外へと円形に掘り進んでいきます。
サボネアたちが異変に気付いたのは、サボネアたちの足元が徐々に崩れ始めた時でした。そのままずぶずぶと沈んでいくサボネアたちを見送りながら、メスのサンドは不思議そうな顔をしていました。もちろん、土の中でスピンが暗躍していたことを、彼女は知りません。
きょろきょろとあたりを見回して、サボネアが沈んだ穴の向こうにひょっこりと顔を出すスピンをやっと見つけました。
メスのサンドが穴を飛び越えて、スピンの元に駆け寄ります。スピンにとっては初対面の相手ですが、スピンは逃げも隠れもしませんでした。二匹は、互いが仲間であることを確かめ合うように頬を摺り寄せると、仲良く穴を掘って地面の下へと潜っていきました。