うさぎ小屋@うさぎの短編集 - 私の辞書に恋なんて言葉はないのです。
ないです。ないんですから。
図書室はとても落ち着きます。中でも授業終わりの図書室は静かで、誰も居なくて、まるで自分だけの世界に入ったかのようで好きです。
でも、ちょっと時間が過ぎると皆が入ってきてうるさくなるから彼(図書室)のそこは嫌いです。
それにしても、皆は図書室の扉の前の貼り紙、読まないのかしら。
図書室の扉の前で寂しそうに揺れる貼り紙は、私が書いたもので”図書室では静かに“とか ”廊下を走らない“とか反抗期の中学生にはうざったいだけのもの。
読まないのも多少は分かるけど。せめて図書室では静かにして。

今日も図書室に引きこもりです。そして今日も図書委員長のチラチーノ先輩が受付をするカウンターを独占。
先輩は私を横目でチラリと見ると、また勉強をする手を動かしました。
「先輩は、勉強熱心ですね」
先輩は囁くような声で「別に」と答えると本を借りにきたポケモンを横目でチラリと見ると、数字の書かれた紙を渡しました。
そのポケモンが図書室を出ると、PCをカタカタといじり、誰も借りにくるポケモンがいないと分かるとPCを横によかして また勉強を始めました。

うふふ。本は親友です。
「お前、何読んでるの?」
私が余りに楽しそうに本を読んでいたので、本に興味が沸いたのでしょうか。ヒョイ、と男子に本を取り上げられました。乱暴なひとです。
振り替えって、それを見てみると男子は黒いキツネのような姿をしたポケモンの ゾロアでした。
ゾロアはパラパラとページを捲ると「フーン」と呟いて本を私の方に投げました。
その刹那、
「なにしてんだぁ!!!!」
立ち上がりながら若干ドスの効いた声をあげ、怒鳴る先輩。
その怒鳴り声でさっきまでうるさかった図書室が一瞬にして静まり返りました。
その静かな空間で先輩は更に喝を入れます。
「本を乱暴に扱うな!!!!」
数秒間の沈黙をはさんで、皆はゾロゾロと図書室から出ていきました。
ゾロアが涙目になっていたのは気のせいでしょうか?

うさぎ ( 2014/11/24(月) 13:57 )