はじまりの章
追憶(リライブメモリアル)
ふと、あの頃の記憶が蘇ってきた。
見渡す限りの闇にぼんやりと浮かぶ冷酷な眼だ。
まるで得体の知れない「何か」を見ているかのようだったが、残念ながらその視線の先にいるのは

俺だった。

さらに残念なことに、その視線を注いでいるのは、

俺の両親だった。

二人は何も言わずにひたすらに俺に凍りつくような視線を浴びせた挙げ句、くるりと背中を向けると、暗い闇の中へ消えていった。
当時の俺はどうしたらいいか全くわからず、言葉を失いその場に立ち尽くしていた。救いは、俺の傍にポケモンがいてくれたことだろう。
俺を心配そうに見つめていたから、思わず抱きしめて大泣きしたことを覚えている。
その日からだった。
心にぽっかりと穴があいたような感覚を覚えたのは。
これが何なのかは今になっても解らない。

理解し(わかり)たくもない。


 
と、ふと我にかえる。
此処はガベーラ地方のコスモ団アジト前
天候は雨。それほど勢いは強くないが、傘は必要だろう。
その時、誰かが俺のズボンの裾を引っ張った。
「きゅー」
俺のポケモン(パッチール)だ。
こいつは少し特別でぶち模様が緑色。いわゆる色違いだ。どんな時もこいつがいてくれた。
「…」
俺は何も言わずにパッチールを撫でてやり、歩きだす。
早く任務を遂行しよう。



不意にパッチールが肩にヒョイととびのってきた。
傘をさしているとはいえ、地面は所々汚い水溜まりができているからだろう。
「きゅー♪」
嬉しそうな鳴き声が聞こえてきた。
俺はまた歩き出す。

■筆者メッセージ
いきなり始めてしまい申し訳ありません。

私は組長398と申します。読み物を書くというのは完全に初心者です。
以下注意事項
*オリジナル設定が含まれます。
*恋愛要素がチラホラ顔を覗かせることがあります。
*この物語を書いているのはド素人です。

以上のことをご理解いただいた上で、閲覧&評価をお願いします。
組長398 ( 2017/04/25(火) 19:26 )