第一章 ある救助隊アビレス!
六話睡眠種
〜1〜

ーー視点アビスーー

「“火の粉”!」
「“はたく”!」

うぅ…怖い。私はキャタピー共に、バンギラスと戦っているルークにガイルから見て、丁度右側にある草むらに隠れていた。本当は戦いたいという気持ちは少しだけはある。でも、私はこんなに大きなダンジョンポケモンに出会ったことはないから、とても怖くて足が動けない。本当はやるべきなのかな?

「っ!ルーク!また“破壊光線”来るぞ」
「言われなくても分かっているわ!」

ガイルやルークはよく怖がらないで、バンギラスに戦っているね。さっきの仲の悪さはどうしたんだろう?……もしかしたら本当は仲が良いのかな?確かに…喧嘩するほど仲は良いと言われているからね。

それよりも、再び“破壊光線”を使ってくるバンギラス。使う旅に“小さな森”が滅茶苦茶破壊されてしまっている…。ダンジョンまで壊してしまうダンジョンポケモン……。破壊光線って、どれくらい火力あるの?あれに当たったら、いくらガイルでも、とても…。

…………。

勇気だして助けにいこうかな?でも、私には…

「こ…怖いです…」
「そ、そうだね…。でも、大丈夫。ガイルやルークが倒してくれるはずだよ」

うん。私にはキャタピーちゃんがいる。だから、出来るだけ守るためにキャタピーちゃんと一緒にいないといけない…。

「ガイル。こんな状況で聞いてしまうが、一体バンギラスタイプは一体なんだ?」
「なに!?お前はそれも知らないのか!?」
「仕方ないだろ!アビスに聞いていないからな」

うっ!だから、どうしてそこで私が出てくるの?いくら私だって知らないのに。ルークはわざとらしく言っているのかなぁ?そもそも私は、タイプの相性何てあまり知らないのに、どうしてルークは私のことを話してくるのかな?

…………。

もしかして、いや…違うよね?

「アビスが知っているはずはないだろ!バンギラスのタイプは岩タイプに悪タイプだぞ?」
「そうか…。というかアビスは知らないのかよ」
「知るわけないだろ!」
あぁ…バトル中なのに、また始まったよ。タイプ分からないくらいで喧嘩って…。ダンジョンポケモンの“バンギラス”だって、いつに“はかいこうせん”を使ってくるのかを分からないのに…。こんな状況で喧嘩はだめだよ…。

「と、とにかくだ。今はこのバンギラスを何とかするべきだろ?」
「ん?そうだな…。って、お前に言われたくないが。あとで覚えてろよ」
「お前に言われたくない!“はたく”!」

……。仲は良いのか悪いのか、わからない状況になってしまったよ。でも、ルークとガイルだけで倒せるかな?能力も違いすぎるし…。破壊光線を使っただけで、森もほとんど壊滅だし…。

そう言えば…私がダンジョンの“小さな森”時に拾った“黄色い物”は一体なんだろう?これって食べるもの立ったりするのかな?それに、もしかしたら誰かの落とし物立ったりしていたのかな?
……もしかして、持ち主はバンギラス立ったりする?いくら何でもダンジョンポケモンとはいっても、元々は普通のポケモン立ったのかもしれないし。だから返すべきかな?……でも、怖いし…。投げてやってみるべきかな?

「ん?アビス。どうしたんだ」
「バンギラス。黄色い物」
「お前は隠れていろよ。キャタピーまで襲われたら、どうするつもりだ」
私はルークやガイルが話し言葉を、ほぼ聞き耳持たずにバンギラスに向かって“黄色い物”を投げた。そして、何故か黄色い物はバンギラスの口の中に入る。あれ?持ち主じゃない…ということなのかな?

あれっ?しかも、バンギラスが眠り出した?一体どうしたんだろう?

「ん?バンギラスが眠ったぞ?」
「……。もしかしたら、アビスが拾った物は“睡眠種”かもな」
「ん?なんかいったか?」
「な、何もいっていないぞ!それよりチャンスだな」

ルーク…。ガイルは“睡眠種”と話したんだよ?まあ…聞こえにくいような感じだったかもしれないけど、私にはちゃんと聞こえていたし…。

とにかく、ルークやガイルは眠っている(理由はまだはっきりわからないけど)バンギラスを攻撃始めたね。このまま起きることは無かったら、倒せると思うけど…。

「“火の粉”!」
「“泡”!」

ガイルが使う“火の粉”。ルークが使う“泡”(いつに覚えたんだろう?)が、バンギラスの腹辺りにうまく命中して、そのままダンジョンポケモンと同じように倒れた…。良かった。黄色い物が無かったら、いくらルークやガイルでも倒すことはできない可能性があったからね。

「ふぅ…ようやく倒れてくれたな」
「ちょっお前!いつに“泡”が使えたんだよ!」
「ん?たった今だぞ?何となく、やったらできた感じだ」

……ルーク。何となくって…。でも、ルークは“泡”を覚えてくれたんだね。

でも、あれ?なんか大事な事を忘れている気がする…。

「所でアビス。キャタピーはどうした?」
「えっ…?キャタピーちゃん?………………あ!」
「「忘れていたのかよ!!」」

うう…二匹同時で言わないでよ!忘れるのは仕方ないんじゃん!君達が、ダンジョンポケモンの“バンギラス”を倒そうとしているから!

でも、これくらいだけ思っておこう…。ガイルは怒ったら怖かったりするし。ルークは分からないけど…

「キャタピーちゃんいる?」
「はい。居ます…」
「良かった。厄介が奴は居なくなったから、一緒に行こう?」

私が出来るだけ優しく話したら、キャタピーちゃんは黙って頷いてくれた。これでようやくダンジョンから出ることができる。まだ救助隊じゃないから、本当はあまりしてはいけないけど、キャタピーちゃんを助けることができて良かった…。


……もしも救助隊になった時のチームはどうしょう?全く考えていないなんて、ガイルには言えないよ…。


〜2〜


ーー視点ルークーー

「キャタピーを助けてくれてありがとうございます」
「いや、たいしたことはやっていないよ」

アビス。どう考えても、たいしたことがあるぞ?ダンジョンポケモンの“バンギラス”を隠しているんだなコイツ…。

とにかく俺たちはその後。キャタピー共に“小さな森”から脱出して、バタフリーと再開することができたんだ。その時のようすを見て俺は思わず「助けて良かったな…」と思ってしまったよ。しかもおれいまで貰ってしまったからな。

なお。おれいで貰った物は水色している木の実“オレンのみ”。ピンク色している木の実“モモンのみ”だ。

「たいしたことはありますよ。キャタピーを助けてくれたので、あのお名前は?」
「名前?私はアビスだよ」
「俺はガイル。で、コイツは…」
「コイツと言うな!俺はルークだ」

なんかガイルがわざとらしく、俺のことなにかをはなそうとしていたな?たく!なんか知らないが、ガイルと一緒にいると空気が悪くなってしまう。出来るだけ離れたい気分だ。

しかし、バタフリーはアビスの名前は“小さな森”に入る前から聞いていたはずだよな?なぜもう一度聞くんだ?……もしかしたら、あのときのパニックで耳に入らなかったかもしれないな。うん。そうしよう。

それにしても、キャタピーが俺の視線からどけてくれないのだが、一体どうしたんだ?何か嫌な予感がする…。

「か、カッコいい!」

うわぁあ!やはりそうだった!俺としては、あまりそう思われたくないんだ。理由はさすがに言えないぞ?アビスやガイルは、こんな言葉を言われてどう思ってんだ?顔も変化してねぇ…

とにかく!その後。バタフリーは、再び「ありがとうございました」という話をしてキャタピー共に帰っていったな。今度から気を付けて欲しいところだ。

しかし、こんな真夜中で俺たちはキャタピーを助けたんだな。今までは“小さな森”にいるせいであまり気づかなかった…。ダンジョンって以外に明るいんだな。そして…アビスは俺の前にやって来て…

「えっと…ありがとうねルーク」
「なに!?何故お礼を言うんだ?」
「だってたとえガイルが居たとしても、ダンジョンポケモンの“バンギラス”を倒せなかったかもしれないから」

……なるほど。そう言うこと…か…。しかし、俺はなにもしていないに等しいはずだ。最初は技の使い方なんて分からなかったからな。ガイルが「何だよ。その意味?」という言葉が聞こえた気がするが、気のせいにしておこう。

「あとルーク」
「なんだ?」
「出会った時に言っていたよね?元は人間で記憶喪失だって…」
「そうだ」
「!?」

今、ガイルが驚いているような顔をしていたな。確かに…お前にはこの事をまだ話していない。しかし、それがどうしたというんだ?

「確かに…俺は記憶は無いし、元は人間だ。しかし、それがどうしたというんだ?」
「あ、いや…たいしたことはないけどね。ただルークとしては、よくわからない“ユリーシア”世界にやって来て、いく宛はあるの?」
「……」

俺はアビスの質問を聞いて黙り混んでしまった。確かに…そうだ。俺はユリーシア世界なんて全く知らない。それに一時的に協力していたとは言え、俺はこれからのいく宛は無いな…。

「もしも無いなら。ちょっと私とガイルについてきてくれないかな?いい場所あるから」
「おい!アビス!一体何を考えているんだ!?」
「いい場所?」
「うん。ガイルには秘密だよ。帰ってから話すよ」

アビスはそれだけ伝えて、東の方向に歩き始めた。そして…ガイルや俺もつられて歩く。しかし…
「ん?」
「どうしたんだ?」
「いや、今なんか誰かに監視されているような気がしてな…」

俺はそうガイルに話して、辺りを確認始める。しかし…辺りは真っ暗だ。全くわからん。ガイルはそんな俺に話しかけてくる。

「気のせいじゃないか?」
「そうか?」
「そうだ。それより急がないと、アビスに追い付かなくなるぞ!」
「おい!こら!走るな!」

ガイルはそれだけ伝えて、誰かさんと同じように走りはじめやがった。……コイツらは夜道は危険ということを知らないのか?

しかし、再び走るしかないな。走ってあの二匹に注意を話すしかねえ…。

ーーしかし、俺はまだ知らなかった。本当に誰かに監視されていることを…ーー
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■筆者メッセージ
うう…うぅ…なんか、負けた感じに思っているコタンです。 こんな感じで大丈夫立ったかなぁ…?分かっているんだけどどうしても、元作者さんを意識してしまう…。あと…最後のあれは秘密です。

さらに…次の話で第一章は終わります。(携帯持ちこたえてくれ…)

優先度→65%
コタン4EX ( 2016/01/19(火) 21:51 )