69.水上スキーifルートクロス
『さぁやってまいりました第1回ポケモン水上レース大会イイイイイイイイイイイイイ!!!!』
街中に喝采が巻き起こった。レースコースに沿って人々が押しかけ、あちこちで観戦客への出店が並ぶ。開始位置には色とりどりのボートとポケモン、参加トレーナーが待機している。
――水上スキー大会。遠く、水の都と呼ばれるアルトマーレでは夏の恒例フェスタとして有名である。それを模したイベントがナギサタウンで開催することとなった。主催はホトリであり、スタッフ席で連絡調整に忙しい。
『まずは一人目! こいつを呼ばずに誰を呼ぶ!? 我らがラチナチャンピオン! ヒナタ&コーラルペアアアアアアアア!!』
「おっしゃあっ!!!」
「サニサニー!!」
ヒナタが満面の笑顔で拳を突き上げ、サニーゴもやる気満々に鳴き声を上げた。久しぶりの大会、しかも公式で認められた参加とあって、全力全開やる気MAXで目をキラキラ――いや、ギラギラさせていた。
『そして2人目! 水ポケモンを愛し、水ポケモンと共に生き、一日の大半を水中で過ごす男! カンサス&じーペアアアアアアアアアアアア!!』
「お願い……します……」
「……ヴブ」
青年が控えめに頭を下げた。ジーランスも小さく鳴く。しかしジーランスの体長は2メートル。通常個体の二倍の大きさは圧巻である。
『そしてここから3人目! カントー地方からやってきました女の子と完全装甲カメックス! ユズル&メロンパンペアアアアアアアアアアアアア!!!』
「がんばりまあぁああああああす!!」
「カメッ!!」
少女がにぱっと笑って手を振った。カメックスは巨体を構えて準備万端だ。彼らはラチナ地方に3ヶ月ほど前に来たばかりだが、ホトリの推薦参加だった。
そして4人目。黒髪に白いハンカチを右手首に結んでいる青年だ。ボートに繋がるトドゼルガがファイティングポーズをとっている。
『そして最後の4人目――!』