物語をどのようにつくっているか
本編とは関係ありませんが、とても嬉しいことに質問を頂いたので答えます! 名前は伏せておきますが、オリジンから読んで下さってくれて感謝です!
物語をどのように考えているか、ですが、今回の話は前作「ポケットモンスターオリジン」の影響を受けているので、こちらから語ります。
まずオリジンでもタイドでも、主人公のアキトや周りのキャラを固めることから始まりました。長くなるしこんな時で無いと語る機会も無いので、聞かれていないことも含めて語らせて下さい!
長くなるので分割しますが、質問にあった内容から答えます。
最初に貰うポケモン、手持ちポケモンの基準。ポケットモンスターオリジンの場合。
・アキト、カナエ、ダイスケのみの前提ですが、カントー地方のポケモンであること。
・タイプ。原作ではほのお・みず・くさ、アニメではピカチュウもいるのででんきも。
・見た目。想像した時に絵が映えるか。
・ポケモンを選ぶ際、各キャラの手持ちの種族値合計がほぼ同じになるようにする。
・ゲームでの最初のポケモン、いわゆる御三家はゲームの主人公のイメージがあるので、それ以外。
・アキト
アキトはやはり主人公、熱血なのでほのおタイプのポケモン、かつ一番主人公らしい見た目のカントーのポケモンということでウインディ。
他の手持ちは、
・序盤ひこう枠でカントー地方のポケモン、ということでピジョット
・序盤でんき枠でカントー地方のポケモン、サンダース
・個人的な趣味でカビゴン、ヘラクロス
・最後にアキトのスタイル、速攻ということでフローゼル
全体的に主人公らしいポケモンに。
・カナエ
アキトがほのお、ダイスケがみずなので余りのくさタイプ。その中でも一番普通にかわいいラフレシア。他の手持ちもかわいさ重視。
・ダイスケ
相棒はライバルの常として主人公アキトに有利なみずタイプ。その中でもパワーのありそうなニョロボン。
他はタフでパワーのありそうなポケモン達と、種族値調整枠。
・リョウジ
相棒は見栄えの良いでんきタイプ、その中でも高さがウインディと殆ど変わらないエレキブル。
他は手持ち全体でのバランスが良く、リョウジのイメージに合う強いポケモン達。ただゴローニャのみは最後のバトルでステルスロックを使う為の要因兼種族値調整要因。
・シンヤ
ウインディと対を為すキュウコン、他はバランス良く主人公っぽいポケモン達と、種族値調整。
リンドウ
まだどのチャンピオンの切り札にもなっていないドラゴンタイプ、ということでボーマンダ。
ショウブ
強いイメージドラゴンポケモン、ということでカイリュー。
ウツブシ
悪役として強いイメージのあるポケモン、ということでバンギラス。圧倒的な強さ、ということでサザンドラも
他のポケモンはあくタイプで弱点を補えるポケモン。
次に地方の名前、由来はいくつかあります。
トウシン地方はカントー地方がイメージのモチーフ、なので街も色の名前から。
・アキト達が夢や目標へと進み、それに到る為に努力する話なので到進。
・トウシン地方は最初はカントー〜シンオウまでのポケモンが出る予定だったのでその文字を取ってトーシン→トウシン。
ここからは、質問にはありませんが語ります。
まず物語をつくる上で気をつけたのは、自分の考えるポケモンらしさというものを崩さないことです。なので流血、殺傷、過度な暴力描写やポケモンらしくないキャラや展開は出さない、といった感じです。
シナリオ
シナリオはポケモンらしさに重点を置き、その中でメインとなるテーマを主人公とライバルの対立に決め、そこからキャラ、全体の話、と考えました。
ストーリーはそれぞれのキャラの相関関係から考えて、あるキャラがこうなったら他のキャラはどう考えるか、と言った感じで組み立てていきました。
また、終盤にミュウが出て来るのは、赤緑がオリジンのイメージの根底にあるからです。
各キャラの名前の由来、性格、シナリオ、テーマなど。
それぞれのキャラの名前は味方側の頭文字の行がア、カ、サ、タと並ぶようにしました。リョウジだけは反対側のラ行。
アキト
性格は主人公らしく、直情型で負けず嫌い、だが見てて不快になる程の馬鹿は書く方としても嫌なので普通の少年に。
ポケモンマスターを目指しているならポケモンに詳しいだろう、とポケモンに詳しい設定が付きました。
名前の由来は負け続けても最後は必ず勝つ、諦めずに進み続けて夢を掴み取る少年、ということで夜明けの星に例えて暁斗→アキト。
作中で言われている通り、負けず嫌い、ということがアキトの軸で、「変わらない」ことがテーマ。なのでアキト自身は変わらないが、彼の行動で周りが良し悪しに関わらず変わってしまう。
ウツブシに打ちのめされ、無気力になるがポケモントレーナーズスクールの臨時講師として子どもを見守る内にカナエの説得もあり初心を取り戻しウツブシへのリベンジを誓う、という話もありましたが没に。
リョウジ
性格は主人公と対立するライバルらしくアキトと正反対で、無口、嫌み、冷静など。賛否両論あっても、間違いとは言い切れないキャラ。
リョウジの過去話はゲームでのHGSSのライバル、アニポケのシンジを参考に、リョウジが強さに拘っていた理由、なぜ今の性格になったか、リョウジがアキトを意識する決定打として考えました。
名前はアキトを凌いで次に進む、ということで凌次→リョウジ
カナエ
性格は幼なじみというよりも、ポケモンのヒロインらしく。
これまでずっと一緒だった二人の幼なじみ、アキトとダイスケが夢に近付き自分から離れていく中、夢の無い少女はどう思い悩むか、ということがテーマです。なので彼女は平穏を求めつつも「変わろうとする」ことがテーマです。
名前の由来はくさタイプが相棒なので花、苗で花苗→カナエ。
ダイスケ
アキトの幼なじみで親友ならどんな性格になるか、と考え、気が合う元気タイプに。
彼もずっと一緒だった幼なじみが離れていくことが根底です。ゲームでのライバルは負け続けても基本そこまで気に病みませんが、もっと負けを深く考えてもいい、ということでダイスケ関係のシナリオが出来ました。
自分の幼なじみでライバルのアキトに一度も勝てないことで劣等感が湧いてもおかしくない、それが自分の中で渦巻き闇堕ちする予定でしたがポケモンらしくないので没にして、今の形に落ち着きました。
アキトに負け続けて、「変わってしまう」ことがテーマです。
名前の由来は大きなパワーでごり押しすることから大、男の子らしい介でダイスケ。
シンヤ
男キャラが軒並み血の気が多いので穏やかに。アキトと対なので青い帽子。
ただメインキャラのつもりが思いの他空気キャラになっちゃいました……。
親友ということで親+それだけじゃ味気ないので他のキャラと被らない也でシンヤ。
リンドウ
ワタルがモチーフ。昔のポケモンはドラゴンタイプの色が赤と青の二色だったので、合わせて紫色から。
ショウブ
ジンダイがモチーフ。こちらも名前の由来はリンドウと同じ。
シッコク団
漆黒と桎梏のダブルミーニング。世界を闇で塗りつぶすので漆黒、世界を征服し、人々の自由を奪うので桎梏。
ウツブシ
モデルはサカキ。名前は古来喪服に使われていた空五倍子(うつぶし)色から。全てを支配した先では、人々に希望が無い。だからこの名前になりました。
後サカキがじめんタイプのエキスパート、ということでじめんタイプっぽい色なのもあります。
幹部
全員エキスパートのタイプの色から名前を取っています。
性格はハシタがバトル物の四天王の四人目にいそうな感じ、シコンが常識人、アオフジがダイスケと似たもの同士、スミレがギンガ団幹部のマーズ。