ポケットモンスタータイド


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ポケットモンスタータイド
第15話 しんかポケモンゲット
「行け、ニドラン♂!」
ここは33番道路。今彼、ヨウタはある珍しいポケモンを見つけ、捕まえようとしていたところだ。
そのポケモンとは……。
「行くぞ、イーブイ! 絶対逃がさないからな!」
「お兄ちゃんがんばって! 絶対イーブイ捕まえてね!」
「もちろん!」
そう、イーブイ。
しんかポケモンと分類されるこのポケモンは、そのかわいさや進化の可能性の多様さなどの理由で人気が高いが、とても珍しい。
野生で出て来ることなどめったに無い、出会えたのは本当に幸運なことだ。
そしてそのチャンスを逃さない為に、彼はいつも以上に張り切っている。
「どくばりだ!」
ニドラン♂が毒の針を飛ばすが、下がって避けられてしまう。
「ならにどげり!」
しかしすぐに接近して、二連続の蹴りを叩きこむ。
「よし、効果は抜群だ! 続けてどくばり!」
続けてイーブイが怯んでいる隙に、今度こそ毒の針を浴びせた。
「もう一度どくばりだ!」
だが、横に跳んでかわされ反撃の体当たりを食らってしまう。
「ニドラン♂!」
さらに星形の光を受けニドラン♂も厳しい顔つきになる。
ダメージは大きいのだろう。
そして再びその攻撃、スピードスターを使ってきた。
「どくばりで迎え撃て!」
しかし今度は食らわない。全て毒の針で相殺。
「つのでつく!」
相手が技を相殺されたことに戸惑っている間に鋭く尖った角で攻撃する。
「今だ、モンスターボール!」
そして一度倒れて再び起き上がろうとしたが、そこにモンスターボールをぶつけた。
イーブイが赤い光とともにボールに収まり、少しの間揺れたがそれもすぐに収まる。
「やった、イーブイゲット!」
「やったねお兄ちゃん……!?!」
そのモンスターボールを拾い上げてルミと喜んでいるとニドラン♂の体がいきなり光り始めた。
見る見るうちに姿が変わり、体も角も大きくなり鋭い目つきのポケモンになった。
すぐに図鑑をかざす。
「ニドリーノ。どくばりポケモン。
怒りやすい性格。発達したツノを振り回してダイヤモンドも串刺しにする」
「なるほど。確かに鋭そうだ」
「刺さったらひとたまりもなさそうだね」
説明を聞き、確かに、と頷く。
二人でまじまじと角の先端を見つめているとニドリーノは恥ずかしそうに顔を逸らした。
「見て、ヨウタ君!」
そうして眺めていたら背後から声が聞こえた。
振り返ると、胸元でモンスターボールを持っているアカリと手ぶらのヒロヤが立っていた。
そしてアカリがそのボールを投げ、ニドラン♀を大きくしたようなポケモンが現れた。
「ニドラン♀、進化したのか! 良かったじゃないかアカリ!」
「うん、ニドリーナっていうの! ……って、ヨウタ君のニドラン♂も進化したんだ」
そのポケモンはニドラン♀の進化型、ニドリーナというらしい。
彼女は得意げにしていたが、ヨウタの足元のニドリーノに気づき言った。
「うん、ニドリーノっていうんだ」
「そっか、強そうだね! おめでとうヨウタ君! じゃあ戻って、ニドリーナ」
「ニドリーノ、君も戻ってくれ。じゃあ進もうか」
そうして二人はポケモンを戻し、ルミ、ヒロヤとともに次の街への歩みを始めた。

せろん ( 2014/02/07(金) 17:08 )