02
「じゃあカナエ、オレはそろそろお風呂に入ってくるよ」
「うん、分かった。後でね」
「ああ」
アキトは着替えを持って、部屋を出た。その時、隣の部屋の扉も開いた。
「……ダイスケ」
「お、アキト! お前も今から風呂だな? なら一緒に行かねえか?」
「あ、ああ」
少し気まずいアキトと違い、彼は元気そうに振る舞っている。
だが、目を見たらわかる。彼の目元は、誰が見ても分かるほどに赤くなっていた。
「じゃあ、さっさと行くぞ! もう気持ち悪いから早く入りてえんだ!」
「ああ、そうだな」
しかし気にはなるが言えるはずが無い。
肩を叩かれて催促され、2人は足早に廊下を歩いた。