03
「さあとうとう始まりました、ポケモンリーグ第1回戦第1試合! 戦うのは同じコキヒタウンで生まれ育ち、ともにジムを巡る旅をした2人、アキトとダイスケ! 注目の一戦、勝つのはどちらだ!」
「アキト! ダイスケ! どっちもがんばれぇ!」
「2人とも、応援してるよ!」
「えっと……。アキトさん! 頑張って下さい!」
観客席から、他の人達に混ざってカナエ達も2人に声援を送る。ツボミだけはアキトしか知らないため彼だけを応援しているが。
「ダイスケ、負けないぜ!」
バトルフィールドの端に立ってざわめく満員の客席に目をやり、とうとうリーグが始まったことを実感しながらアキトは反対側の端にいる彼に話しかけた。
「……おう。アキト、本気で行くぞ! 幼なじみでも旅の仲間でもない、1人のポケモントレーナーとして!」
「ああ、もちろん! お互い手加減抜き、だからな! 行け! ヘラクロス!」
「出番だ、ドサイドン!」
2人が勢い良くモンスターボールを投じて、2匹のポケモンが姿を現した。
そしてついに、ポケモンリーグが幕を開けた。
「サイドンを進化させたのか。ヘラクロス、メガホーン!」
「昨日アオズリ博士に頼んだんだ。ドサイドン、ストーンエッジでむかえうて!」
ドサイドンがいくつもの岩を飛ばすが、ヘラクロスは角で砕きながら距離を詰める。
「アームハンマー!」
至近距離まで近づかれて、ならばと拳を突き出し迎え撃つが、威力は拮抗する。
「行け! インファイト!」
「掴んでストーンエッジ!」
一度下がってかがみ、懐に潜り込んで連続で拳を、足を叩きつけるが、それら全てを硬いボディで受け止め片腕で脇腹を掴んで持ち上げ、もう片方の手から尖った岩を次々と発射した。
「ヘラクロスのインファイトが炸裂するが、強烈な反撃を食らってしまう!」
「くっ、戻れ!」
かなりのダメージだ、下手したらインファイトの反動もあり一撃で倒されていたかもしれない。一旦休ませるためにモンスターボールに戻した。
「ダイスケ君のバトルを見るのは二度目だけど、相変わらずパワフルだね。それにお互い容赦が無い、全力だよ」
「うん、昔から2人は手加減しない仲だったから。でも……」
「どうしたんですか?」
カナエが少し不思議そうな顔になったのを感じて、ツボミがたずねる。
「今日のダイスケは、なんだかいつもと違うような……? なんでか分からないけど……」
「行け! サンダース!」
彼女の言葉に2人が首を傾げている間にも、アキトが次を出した。3人の意識はそちらに向かう。
「じしん!」
「めざめるパワー!」
バトルフィールドを走る衝撃波を跳んでかわし、空中から光球を発射する。
「さすがサンダース、素早くかわしてドサイドンに迫る!」
「弾いてアームハンマー!」
だが腕の一振りでそれをたやすく弾き飛ばし、拳を掲げながら接近する。
「引きつけてかわせ! めざめるパワー!」
そして目の前で止まりそれを振り下ろす。しかしバックステップで避け、腹部に直撃させる。
「サンダース、まだだ! 跳べ!」
「じしん!」
インファイトのダメージもある。さすがに倒れるだろう、とサンダースは笑ったが、指示を受け慌てて高く跳んだ。直後、ドサイドンが歯を食いしばりながらも足踏みして衝撃波が起こった。
「今だ、アームハンマー!」
なんとかじしんは避けたが、空中にいて身動きが取れない。思いきり殴られ、山なりに飛ばされてしまった。
「……サンダース、一度休んでくれ!」
「ちっ、惜しい」
全ポケモンの中でもトップクラスの攻撃力を誇る相手だ、おそらく次は耐えられないだろう。アキトはそう考えて、サンダースをボールに戻した。
「行け! ヘラクロス!」
ヘラクロスはボールに戻って休んでいたとはいえ、顔にはまだ痛みと疲労が残っていた。
「ストーンエッジ!」
「ごめんヘラクロス、けどがんばってくれ! インファイトで砕いて接近しろ!」
飛んでくる岩達を、殴り蹴りで砕きながら近づく。
「じしん!」
「飛んでストーンエッジ!」
距離は縮まったが、まだメガホーンやインファイトは食らわせられそうにない。体1つ分浮いて空中から岩を飛ばすが、全く効いていない。
「さすがだな、けどまだまだ! じしん!」
「お前もじしんだ!」
ヘラクロスは空中から地面に角を叩きつけ、すぐに宙に戻る。ドサイドンはその衝撃波に同じ技で返し、パワーで上回るも当たらなかった。
「アームハンマー!」
だがすでに少ししかなかった距離を一気に詰め、拳を振り上げた。
「下がって着地するんだ!」
「もう一発!」
その攻撃を下がって避けるが、今度は横から拳が迫ってくる。
「よし、しゃがめ!」
しかしそれも、間一髪ではあったが四つんばいになりなんとかかわした。
「で、そっからどうすんだ? じしん!」
「こうするのさ! ヘラクロス、思いっきり上に投げ飛ばせ!」
口調は軽く、しかし表情は真剣にダイスケは指示を出す。対してアキトはにやりと口角をつり上げた。
ドサイドンが足を持ち上げたところに、ヘラクロスが四つんばいのまま前進して体の下に角を入れた。
「へっ、ドサイドンはかなり重いんだ! そう簡単に持ち上げられるわけが……!」
彼が笑っている間にも、ドサイドンの体は持ち上がっていく。足が地面に届かず、じしんも不発に終わった。
「まじかよ!?」
「なんと、ドサイドンが投げ飛ばされたぁっ!?」
「へへ、悪いな! ヘラクロスは自分の100倍の重さでも楽に投げられるパワーなんだ、ドサイドンなんて楽勝だぜ!」
そしてとうとう宙に投げ出された。観客達も驚きながら眺めている。
「行け、ヘラクロス! メガホーンだ!」
さらに、慌てながら落下しているところに飛んで近づき、思いきり角を振り下ろした。
ドサイドンはそのまま地面に叩きつけられ、倒れた。
「ドサイドン、戦闘不能!」
「戻れドサイドン。出番だナッシー!」
「へへ、タイプは有利だ!メガホーン! って言いたいけど、今までのダメージが大きいからな、一度戻って休んでくれ。行け! サンダース!」
「タマゴばくだん!」
「かわしてでんこうせっか!」
ナッシーが体を揺らして葉っぱの中から飛ばしてきたタマゴ形の弾を、横にステップを踏んでたやすく避けてまっすぐ走る。
「めざめるパワー!」
「タマゴばくだん!」
「斜めに跳べ!」
そして足を動かしながら光球を放つが、押し負けて再びタマゴ弾が迫ってくる。しかし直前に斜めに跳ねて避ける。
「リーフストーム!」
「でんこうせっかでかわして回り込め!」
続けて尖った葉っぱで起こした嵐も素早くナッシーの横を駆け抜けて避け、Uターンして背後を取った。
「ウッドハンマー!」
「よし、めざめるパワー!」
光球が背中に直撃して、ゆらりと揺れた。
「よ……くない! サンダース、離れろ!」
アキトはガッツポーズをしかけたが、慌てて指示を出した。しかしもう遅い。すでにサンダースに倒れかかっていた。
「サンダース!」
アキトが叫び、直後下敷きになってしまった。
「アキト、おれは言ったぞ。ウッドハンマーってな」
「……へへ、やるなダイスケ!」
ナッシーが倒れたのは戦闘不能になったからではなく、その体を使って攻撃するためだったようだ。
予想外の反撃に一瞬目を丸くして、すぐに口元に笑みを浮かべた。
「サンダース、戦闘不能!」
「ありがとうサンダース、ゆっくり休んでくれ」
「……なんだよ」
アキトはサンダースをねぎらってボールに戻し、ダイスケはその様子に拳を震わせた。
「なんだよ……! なに笑ってんだ! どうせ今回も自分が勝つって思ってるからか!」
「ええ!? 違うよ、いや、確かに勝つ気だけど、そんなつもりじゃない!」
慌てて否定するが、彼はうつむき拳を握りしめていた。
「ダイスケ……?」
「……どうしたんだろう?」
「あ、あの、ダイスケさんどうしたんですか……?」
カナエとシンヤはその普段と違う様子に疑問を浮かべ、ツボミは直接話したことがないのもあって少し怯えている。
「だったらなんで……!」
「あのさ、ダイスケ。なんで怒ってるのかはよく分からないけど、オレは自分が勝つって確信したわけじゃないよ。たださ、楽しいんだ、お前とのバトルが! 今すごく楽しい、すごく燃えてるんだよ! だから、笑ってるんだ」
握り拳をつくってその甲を向けながら言うと、彼はうつむいてしまった。
「肩の力を抜けよ、ダイスケ。お前、たくさんの人が見てるからって緊張してるんだろ? そういう時は思いきり深呼吸だ! そしたら、ちょっとは気持ちも落ち着くぜ!」
「は? ……ははっ」
思わず笑ってしまった。そういえば昔もこんなことがあったっけな。おれが緊張してどうしたらいいか分からなくなった時に、アキトに助けてもらったな……。
「すぅーっ、はぁーっ」
大きく息を吸い込んで、吐く。……おし、だいぶ落ち着いてきた。
「どうだ、緊張は無くなったか?」
「おう! ……って、別にそんな緊張してねえよ!」
あぶねえ、つい雰囲気に流されるところだった……。よく考えたらおれは怒ってたんだ!
「え!?」
彼は目を見開いて、予想外、といった顔をしている。
「……ほんとに驚いたって反応だな」
「緊張してたんじゃなかったのか……?」
そしておそるおそる、たずねてきた。
「ちげえよ、さっきは普通に深呼吸しちまったけどよ!
……はぁ、なんかバカらしくなってきた。だよな、ほんと変わらねえよお前は。なんか怒る気も無くなった。勘違いして怒鳴って、みっともねえな」
そうだ。よく考えたら、いや、考えなくても分かることだった。こいつは自分が勝つって確信して相手を笑うようなやつじゃなかったんだ。
「えっと、ダイスケ……?」
「あの、彼どうしたんですか?」
「……うん。ダイスケとも付き合いは長いけど、さっぱり分からないかな……」
「……そっか」
彼がいきなりどうしたのか、アキトだけでなくカナエ達も不思議そうな顔をする。
「うっせえ、別になんでもねえよ。そんなことより早く次のやつを出せよ! こっちはウズウズしてんだ!」
「へへ、だな! 行け! ヘラクロス!」
2人は笑いながら見つめ合い、そしてアキトは目線を外さずボールを投げた。
「ごめんヘラクロス、あともうちょっと頑張ってくれ。ストーンエッジ!」
出てきたヘラクロスは、疲労からか少し呼吸が荒くなっていた。
「タマゴばくだん!」
2つの技は空中でぶつかり合い、相殺される。
「もう一発だ!」
「高く飛べ!」
更に一発飛んできたが、上空に逃れる。
「へっ、それでどうすんだ? サイコキネシス!」
ナッシーは高く上にいる相手に念波を送ろうと目を閉じ集中する。だが、ヘラクロスにはなんの変化も無い。
「おい、なんでだよナッシー!」
ダイスケの焦った声に、ナッシーは慌てながら再度試みる。が、やはり平然としている。
「へへ、こんだけ距離があいてるんだ。そりゃあ当たらないさ! ヘラクロス、ストーンエッジ!」
「タマゴばくだんでむかえうて!」
上空から岩を飛ばすが、それに対して放たれた爆弾にぶつかり相殺されてしまう。
「わりいけど、お前の攻撃も当たんねえぞ?」
「みたいだな。……だったら、じしんだ!」
「かわせ!」
アキトは空からの攻撃は諦め、思いきり地面に向かって突撃した。しかし衝撃波は跳ばれてかわされる。
「まだまだ、ストーンエッジ!」
「タマゴばくだん!」
「今だ、行け! メガホーン!」
だが間髪入れずに岩を飛ばす。ナッシーは着地してから技を放ったため、目の前で2つの技がぶつかり合う。さらにそれにより起きた爆風の中を進んで、その硬く大きな角を思いきりぶつけた。
「ナッシー、戦闘不能!」
「サンキューナッシー、もう休めよ。おし、こいつで最後だ! けど負けねえぞ、アキト!」
彼は審判のジャッジを聞いてナッシーを戻し、最後のモンスターボールを構えた。
「ああ、来いダイスケ!」
「出番だニョロボン!」
そして、それを勢い良く投じた。
現れたニョロボンは、腰と思わしき部分に手を当て堂々としている。
「行け! れいとうビーム!」
「かわしてストーンエッジだ!」
「メガトンキック!」
冷気の光線を飛んで避け岩を撃ったが、なんとニョロボンは跳び蹴りで砕きながら目の前まで迫って来た。
「嘘だろ!? かわしてくれ!」
「れいとうビーム!」
「飛べ!」
急いで身を翻しなんとか寸前でかわすことが出来たが、すぐに振り返って冷気の光線を放った。今度も危ういながらも回避する。
「こうなったら……。いったん下がるんだ!」
「逃がさねえぞ! 行け、ばくれつパンチ!」
一度空中で後ろに下がって着地したが、そこに再び飛びかかったきた。
「へへ、かわしてインファイト!」
だが、彼が再び攻撃してくるのは予想通りだった、とは言ってもハイドロポンプを使って来るかもしれないため賭けのようなものだったが。今度は先ほどよりも余裕を持って横に軽く足を動かして位置をずらし、通りすぎたところに連続で拳を叩き込む。
「よし、飛ぶんだ!」
「へっ、れいとうビーム!」
「メガホーン!」
上空に飛び、放たれた冷気の光線を旋回して避けて突撃したが、それも避けられる。
「後ろが空いてっぞ、れいとうビーム!」
それもかわそうとしたが、羽にかすってバランスを崩してしまう。
「しまった……!」
「もう一発、とどめのハイドロポンプだ!」
そこに、激しい水流が直撃してしまう。ドサイドンに受けたダメージがかなり大きかった上に、これまで疲労をこらえてずっと戦ってきたのだ。とうとう体力が尽きたらしく、うつ伏せに倒れて動かない。
「ヘラクロス、戦闘不能!」
「ありがとうヘラクロス。よくがんばったな、ゆっくり休んでくれ。……へへ、これでオレも後1匹か。けど、オレが勝つ! 行け! ウインディ!」
ヘラクロスを戻して最後のボールを軽く上に放り、キャッチして勢い良く投げた。
現れたウインディは、ニョロボンを見て構えた。
「ウインディ、しんそく!」
指示を受け、目にも留まらぬ速さで駆け抜けた。
「防げ!」
だがぶつかる前に両腕を体の前で交差させて身を守る。
「ハイドロポンプ!」
「かわしてアイアンテール!」
目の前で放たれたその技を頭上に跳んで避け、後ろに着地して水平にしっぽを叩きつけた。
「離れるんだ!」
そして反撃される前に素早く距離を取る。
「慎重だねアキト」
「タイプが不利ですからね」
「よし、かえんほうしゃ!」
「ハイドロポンプ!」
「かわせ!」
そこから放った激しい炎は消火されてしまい、このままではこちらもやられてしまいそうになり中断して逃げる。
「逃がさねえぞ、ばくれつパンチ!」
すると今度は右腕をかざして飛びかかってきた。
「別に逃げる気は無いさ。しんそく!」
それに正面から迎え撃つ。腹に思いきり突撃して、怯んだ隙に素早く離れる。
「やっぱはええな、ハイドロポンプ!」
だがすぐに着地して体勢を立て直し、激しい水流を放った。ウインディは避けられず、飲み込まれてしまう。
「ウインディ!?」
「へっ、どうだ!」
「あーっと、効果は抜群だーっ! ウインディ、耐えられるのか!?」
水流が止む。効果抜群の強烈な一撃に、しかし息を切らしながらもまだ立っていた。
「まじかよ……!?」
「さすがウインディ!」
「よし! ウインディ、絶対勝とうぜ! しんそく!」
指示を受け、素早く動く。だがやはり、両腕を体の前で交差させ防がれてしまう。
「けどそれならもう一発食らわせるだけだ! とどめだニョロボン、ハイドロポンプ!」
「しんそくで後ろに回り込め! アイアンテール!」
ニョロボンも疲れたのだろう、肩で息をしながら水流を放った。だがウインディは右にステップを踏んで目にも留まらぬ速さでニョロボンの横を通り抜け、Uターンして背中に硬いしっぽを叩きつけられ宙に投げ出される。
「よし、決めるぜ! ウインディ、フレアドライブ!」
そして炎の鎧を纏ってそこに突撃した。ニョロボンは無抵抗に地面を転がり、うつ伏せに倒れた。
「フレアドライブが決まった! ニョロボン、たまらずダウンか!?」
「よし、やったぜウインディ!」
「……ウソだろ、ニョロボン? おい、なにやってんだ! 早く立て!」
アキトはガッツポーズをするが、ダイスケは必死に叫んでいる。
「おい! おい、ニョロボン! 頼む、立ってくれよ! ニョロボン!」
再び呼びかけると、かすかにだが、指先が動いた。
「ニョロボン、戦闘……」
「待てよ、まだ倒れてねえぞ! ニョロボン、立てよ!」
審判を制止して、ニョロボンを見る。
ゆっくりと体を持ち上げ、膝をつき、そして再び立ち上がった。
「ニョロボン、まだ戦えるのか……!?」
「おし、行け! ニョロボン! ハイドロ……」
勢いを取り戻したダイスケが、威勢良く指示を出そうとして、止まった。
ニョロボンは呼びかけに応えて必死に立ち上がったものの、体力は尽きていたようだ。膝から崩れ落ちて、そのまま倒れた。
「ニョロボン、戦闘不能!」
「ニョロボン……! ……戻って、ゆっくり休めよ」
彼は、うなだれながら相棒をボールに戻した。
「ありがとうウインディ、良くやったな! ゆっくり休んでくれ! ダイスケ、楽しかったよ!」
アキトもウインディを戻し、バトルフィールドを去ろうと背を向けていた彼に駆け寄り右手を差し出した。
「……ダイスケ」
だが、返事は来ない。そして今気付いた。歩き出した彼が肩を震わせていることに。
「ダイスケ……。また、バトルしようぜ!」
しかしアキトは、あえて普段通りに話しかけた。実際どうかは分からないが、彼は気を使われるのを嫌うだろうからだ。
「……おう」
ダイスケは小さく返し、腕を目元に持っていってこすってから振り返った。
「おう、ほんとに次こそは負けねえぞ!」
そしてアキトに駆け寄って、右手を差し出した。
「……ああ、オレも負けないぜ!」
アキトは彼の顔を見ながら、差し出されたそれをがっしと掴んだ。
2人の健闘を称えて、会場が大きく盛り上がった。