03
「うわあ、すごいな……」
眼前に、大きなドームがそびえている。遠目にも大きいことは分かったが、近づくとそれが実感できる。
「さっさと行くぞ!」
「あ、待てよ!」
ここもレンガが敷かれた道路の脇には露店が立ち並び、色々な人々がそれを眺めたり、ドーム内に入ったりしている。
また少し遠くに目を向けると、ポケモンを出して特訓中のトレーナーも結構見られた。
ダイスケが先行して、アキトとカナエは慌てて追いかけた。
3人がドームの中に入ると、人は先ほどよりも少なくなっていた。
真正面にはポケモンリーグ参加の受付だろう、大きなスクリーンの下でパソコンと小さな機械を目の前に置いてジョーイさんが立っていて、その前に数人のおそらく参加者のポケモントレーナー達が列をつくっていた。
アキトとダイスケはその最後尾に並び、順番はすぐに回ってきた。他の人の見よう見まねでバッジケースとポケモン図鑑を預ける。
「はい、終わりましたよ。こちらお部屋の鍵になります」
小さな機械にバッジケースをセットして本物であることを確認して、次にポケモン図鑑をセットしてパソコンにトレーナーの情報などのデータを送る。
そしてそれらをすぐに済ませて返却し、47、と番号のかかれた札のつけられた鍵を差し出された。
「コテージの場所は分かりますか?」
「大丈夫です、ありがとうございます」
ポケモンリーグの参加者には、リーグ開催の期間中には宿泊のためのコテージが提供されるのだ。
アキトはそれを受け取り素早く列から外れ、彼の後ろに並んでいたダイスケも素早く手続きを済ませた。
「じゃあ、これからどうする?」
「とりあえず荷物置いて、そっから別行動だな」
「ああ、分かった」
そうして3人は、ドームを出た。