03
「来たな、侵入者!」
階段を上っても、しばらくはすでに気絶しているか、戦うポケモンがいないしたっぱばかりだった。
そしてまた階段を見つけたが、したっぱ数名が下りてきた。
「チャンピオンじゃないのか。まあいい、相手はガキだ、さっさと終わらせるぞ。ゆけっ! サンドパン!」
「ゆけっ! ラッタ!」
どうやらリンドウを探していたらしい。したっぱ達は次々とポケモンを出していき、階段がふさがれてしまう。
「ごめんね、どいてもらうよ! 行くんだフライゴン、りゅうのはどう!」
「おら、てめえらどきやがれ! 出番だナッシー! リーフストーム!」
だがしょせんはしたっぱ。5匹居たポケモンは、トレーナーごと上階の廊下まで衝撃波と尖った葉っぱで起こした嵐で悲鳴とともに飛ばされた。
「行こう!」
「行くぞ!」
階段を駆け上がり、気絶したりポケモンの下敷きになっているしたっぱや、倒れたり、自分のトレーナーを心配しているポケモン達の横を通り過ぎる。
「待て!」
そして廊下を走っていると、Tの字のようになっている道の右手から15、6人ほどのしたっぱが飛び出してきた。
「お前達はリンドウを追え! 俺達はこのガキの相手をする!」
「分かった!」
半分ほどはアキト達を無視して直進し、もう半分は左折してこちらに向かって来た。
どうやらリンドウは左の道を進んでいるらしい。
「フン、ザコどもが。出て来いカイリキー! クロスチョップ!」
「悪いけど、通してもらうぜ! 行け! ヘラクロス! インファイト!」
今度はリョウジとアキトがポケモンを出す。
したっぱ達もポケモンを出して応戦するが、2匹は次々とポケモンを倒していく。
「うわぁ!」
「つ、強いぞ! 逃げろ!」
そしてしたっぱがやられたポケモンにぶつかって倒れたり、逃げ出したりしている間に急いで通り抜けて、彼らが来た右手側へと駆けた。