01
「よし、準備はばっちりだ」
アキトはポケモンセンターを出て、帽子をかぶりなおす。
とうとう最後のジムだ。一昔前のような古い見た目の家が点々と建っているグンジョウシティの、グンジョウジム。
3年前の四天王候補の挑戦者もかなわなかった、長年無敗のトウシン地方最強のジムリーダー、ショウブ。そのジムに、とうとう挑戦する時が来たのだ。
「やあアキト君、カナエちゃん、ダイスケ君!」
歩きだそうとしたら、空から声が降ってきた。見上げると、1匹のドラゴンポケモンが居る。
ボーマンダ。ゆっくりと目の前に降りてくる。
「久しぶりだね。俺のこと、覚えているかい?」
「はい、もちろんです。リンドウさん」
その上に乗っていた、マントを羽織ったトレーナーはボーマンダから降りた。オレ達にポケモンのタマゴをくれた、チャンピオンのリンドウさんだ。
「それは良かったよ。ポケモンセンターから、君達がこの街に着いたって連絡があって急いで来たんだ。ジム戦はまだやっていないよな?」
「はい、今からジムに行くところでした」
「そうか、間に合って良かったよ。前にショウブさんから君がこのジムに挑戦するって聞いて、すごく楽しみにしてたんだ」
「チャンピオンにそんなことを言ってもらえるなんて光栄です。じゃあ、行きましょう!」
そう言ってアキトは駆け出した。リンドウ達は、慌ててその後をついていく。