02
「よし! じゃあこれからどうする?」
新たな街、セイランシティの宿泊施設の一室で、アキトがリュックをベッドの横に置いて言った。
「そうだな……。特訓か観光かバトル……。悩むな……」
ダイスケはリュックを投げて、ベッドに飛び乗り腕を組む。
「カナエは、なにかしたいことあるか?」
彼が悩んでいるためか、わたしに話を振ってきた。えへへ、これはチャンスかな?
「師匠!」
「え? あ、はい!」
「……?」
アキトは忘れてたのか一瞬戸惑ったような反応を見せ、直後に自分のことだと気付いてなぜか敬語で返事をした。
ダイスケは、わたしとアキトのこの関係を知らないからか不思議そうにしている。
「一緒に特訓をしましょう!」
そう。ウスハナシティで師匠と弟子の関係になった時から、アキトとわたしはたまに2人で特訓をしていた。
最近はアキトに付き合ってもらってなかったから、久しぶりに弟子っぽく敬語で言ってみたのだ。
「カナエ、最近がんばってるな。いいぜ! なら久しぶりだし、まずはバトルだ!」
「さっすがアキト! これまでの成果を見せてあげる!」
「ああ。どれだけ強くなったか、見せてもらうぜ!」
「おい!」
アキトはそういうと部屋を飛び出し、わたしとダイスケは慌てて彼を追いかけた。