02
「おーい、カナエ、ダイスケ」
ポケモン達を預け、2人が待っているであろう宿泊用の部屋のドアを開けた。
「アキト、おかえりー」
「ああ、ただいまダイスケ。カナエもただいま」
中に入ると、カナエはなにもせずベッドに腰かけており、ダイスケはベッドに寝転がり携帯ゲーム機で遊んでいた。彼は上体を持ち上げ、こちらに目を向け言った。
「アキト!」
「え、ああ」
「ただいま、アキト。良かった、無事だったんだね!」
「へへ、楽勝だったぜ!」
彼女はアキトの声に合わせながら立ち上がって、駆け寄ってきた。彼もグッとサムズアップで返す。
「な、言ったろ?」
ダイスケもゲーム機を片手にこちらに来て、彼女の肩を叩いて笑っている。
「うん、本当に良かったよ……! おかえり、アキト!」
「……はは、カナエ、ちょっと大げさじゃないか?」
「そんなことないよ! だってアキト、むやみにつっこんじゃいそうで心配だよ……」
「……な、なんだよそれ! それじゃあ、まるでオレが単純なやつみたいじゃないか!」
真剣な顔でそう言う彼女に、しかし言い返さずにはいられなかった。
そりゃあ、心配してくれるのは嬉しいんだけどさ……。さすがに心外だ!
……まあ、当たってるんだけどな。
「そう言いたいんだろ。だって、アキトだもんな」
「だ、ダイスケまで……!」
彼は腕を組んで、納得したように頷く。
なんで分かるんだよ! ……まさか、2人はサイキッカーなのか!? ……いや、そんなはずないけど。まあ分かるか、付き合い長いんだし。
「アキト、バトルは結構つえーんだけどなあ……」
「心配になるよねー」
「だから、なんなんだよ!」
わざとふてくされたように言うと、2人は笑い、オレもそれにつられて笑った。