02
「出て来いクロバット! シノノメシティに急げ!」
ポケモンセンターを出ると、リョウジがクロバットをモンスターボールから出して、捕まっていた。そしてクロバットは彼をぶら下げて、飛んでいってしまった。
「リョウジ……。出てこいピジョット!」
アキトもボールからピジョットを出す。
「アキト!」
「悪いカナエ、ダイスケ。オレもシノノメシティに行ってくるから、待っててくれ。悪いピジョット! シノノメシティまで飛んでくれ!」
彼は心配そうな2人にそう言って、ピジョットにまたがりリョウジを追いかけるように飛んでいった。
「アキト……! ……大丈夫、だよね」
「当たり前だろ、あいつはつえーからな!」
「痛いよ。……うん、そうだよね」
不安げなカナエを励ますように背中を少し強めに叩き、笑いかける。
彼女はそれでも少し心配そうな顔で、飛び去っていくのを見つめていた。