05
「……ってことが、昔会ったんです」
「……そうか。私は君の言うことを信じるよ」
「ほ、ホントですか!?」
ミュウを見たのが嬉しくて色々な人に話したが、信じてくれたのは母親とカナエぐらいだったため、アキトは嬉しくて思わず大きな声を出してしまった。
「ああ。ミュウは清らかな心と会いたいという強い気持ちを併せ持つ者の前にのみ、姿を現すとされている。君がその2つの条件を満たしていたとしてもおかしくはないからね」
「え? そ、そうですか?」
「ああ。思い出を回想している君の顔は、とても輝いていた。好奇心にあふれた、無邪気な純粋さが見てとれたよ。
……さて」
それだけいうと、彼は立ち上がった。
「どうしたんですか?」
「私はそろそろ行くよ。話を聞いて、ミュウのことをまた調べたくなったんだ」
「そうですか……。じゃあさようなら、ウツブシさん!」
「ああ、さようなら」
ウツブシは片手を上げて返し、ポケモンセンターを出て行った。
「……ミュウに会ったことのある少年、か。ふふ……」
そして1人、不敵な笑みを浮かべた。