01
「……っと。2人はもう寝てるかな?」
アキトとダイスケがジム戦を終えたその日の夜、宿泊施設の一室で、アキトはベッドで寝ているカナエとダイスケを見て、言った。
「カナエー」
ダイスケは思いきりいびきをかいているため寝てるのが分かりやすいが、彼女はいびきをかかないため、ほっぺをむにっとつついて寝ているか確認する。
「……」
柔らかい。……じゃない、反応はない。寝ているみたいだ。よし。
「……よし」
アキトは、畳んであった青いジャケットを着て赤い帽子をかぶり、リストバンドも両手につけていつもの格好になってから、2人を起こさないよう静かに部屋を出た。
「……」
カナエはそれを横目で確認し、起き上がって気づかれないように後をついていった。