01
「1番道路、やっぱり広いなあ……」
舗装されてはいるが、端の方は木々が立ち並んでいる道路。
今まで何度も眺めてきた眼前に広がるこの光景と、ベルトに付いた相棒の入った一つのボールと、博士からもらった何も入っていない5つの空ボール。
それらに目をやり、アキトは自分がトレーナーになったこと、これから自分だけの冒険が始まるんだ、ということを実感し、胸が高ぶった。
「うん。けど、こうして見てみると、なにか胸に来るものがあるよね」
そしてそれはアキトだけでは無いようだ。
「おれ達は冒険を始めたんだ! って実感が湧いてくるよな!」
隣に並んでいるカナエとダイスケも、感じたものは一緒らしい。
そのことに若干こそばゆいような恥ずかしいような感じがして、アキトは笑みをこぼす。そして再び前を見つめ、三人は同時に歩を進めた。